ノスタルジア-6
結局─────
シンイチがこっちに戻ってきたのは
夏休みが終わって数日たったころだった。
それもあたしはアドバイス君から聞いたわけで・・・
シンイチはあたしに帰ってきたと連絡さえもよこさなかった。
それでもシンイチに会いたい一心で大学まで行き
シンイチをさがした。
ミチルって子と一緒にいるシンイチを見つけ
いやな予感が現実となる。
あたしに連絡の1本もよこさずその子と一緒にいるわけ?
冷静になろうと自分自身を落ち着かせようとしたけど
それは無理な話で・・・
二人の前にピンヒールで仁王立ちして腰に手を当て睨みつけた。
「あたしに、何か言うことがあるんじゃないの?」
ビクッとした二人にさらにイライラする。
ここじゃ・・・というシンイチが場所を変えようとすると
ミチルが「シンちゃん・・・」と心配そうな顔をした。
あたしが悪いの?
あたしが何かした?
最大級の冷たい顔でミチルを睨みつけた。
「あんたは引っ込んでてくれない?」
考え付く限りのいやな言い方でミチルを蹴散らす。