ノスタルジア-4
「ね。シンイチの田舎ってどんなところ?」
シンイチの胸に寄りかかりながら
あたしは「シンイチ」と言う一人の大好きな男を作った知らない土地に
興味がわいてきた。
「ん〜。。。田舎だよ。本当に田舎。
子供は少ないし、過疎化が進んでる。
でも、自然だけは本当にいいところだよ。
住んでいる人たちもおおらかで、子供にも優しい。
川の水はきれいだし、山もある。
本当に凛に見せてあげたいよ」
「うん。見てみたい。シンイチの過ごした所を見たいよ」
「来年行くか?」
「いいの?」
「でも、田舎だからさ。彼女を連れて行くって
こっちより深い意味があるんだよ?
ちゃんと分かってる?凛?」
そう言いながらあたしの鼻をいたずらにつまんだ。
「・・・・ほんとに?」
「え?」
「本当に行っていいの?」
真顔で聞いたあたしに少しびっくりした後
ぎゅーっと抱きしめてくれた。
「一緒に行こう。来年、一緒に僕の田舎に行こう」
あたしは、見たことのないシンイチの田舎にワクワクした。