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ナクシモノ〜シスター&ブラザーコンプレックス〜
【学園物 恋愛小説】

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第四話-4

酷い妹だよまったく。兄の思いやりを理解できないなんてさ。
「はい兄さん、終わりましたよ」
「…………」
瑞希からケータイを返してもらい、すぐに『瑞希』のフォルダを確認する。
いや、確認するまでもない。フォルダ件数が999から0に変わっていたからな。
「俺の、瑞希が……」
ま、SDカードにコピーしてあるんだけどな。ふふん、PCは使えないがケータイは使えるんだぜ!
「今度同じことをしたら、姉さんに言いつけますからね?」
「その姉さんも共犯ですが」
「……はぁ、ふたりしてシスコンなんですか?まったく……」
呆れた様子の瑞希。人のこと言えんだろうに。ってか俺はシスコンじゃないし。
「それより瑞希、何か用事があったんじゃないのか?」
「そうでした。兄さんが変態なせいで忘れてました」
あれ?なんで俺は妹に変態扱いされてるの?
「私と同じ部に、灰村八雲(はいむら・やくも)って名前の付属1年の子がいるんですけど、兄さんに頼みたいことがあるそうなんですよ」
それを聞いた俺は、なんとなく嫌な予感がした。
「た、頼みたいことって?」
「それが、教えてくれなくて……その子、すごく照れ屋なんですよね」
「そうか……わかった。じゃあ今度連れてこい。そしたら聞いてやるからさ」
「ありがとうございます。兄さん」
瑞希は可愛く微笑んで去っていった。
「おい聞いたかぁ、神代ぉ。付属1年だってよぉ。興奮するよなぁ」
「しねぇよ」


   ***


週があけて次の月曜日。
昼休み、俺はマルを部室に呼び出した。ちなみに部室には俺唯一人。
「先輩、もしかして自分の性欲を取り戻したんすか?」
「いいや、まだだ」
神様の超能力は『愛情』に反応する。
つまりマルの性欲は、マルに『愛情』がある人物が消したということだ。
愛情があるうえで性欲を消したとなれば、マルに恋をしている何者かが『私だけを見て』と望んだみたいな理由だろうか。
「彼女はいないと言っていたな」
「ういっす」
「それじゃあ、仲のいい女友達はいるか?」
「友達っつーか、幼なじみならいるっす」
「そうか……」
その幼なじみがマルのことを好きであれば、マルは性欲を取り戻すことができるはずだ。


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