セフレだった女-8
ついばむようなキスを何度か繰り返しながら、それは次第に深いものへと変わっていく。
チュ、と少し湿った音が部屋に響いていくにつれ、さっきまで強張っていた自分の舌がだんだん彼を求め始めていた。
何度も身体を重ねてきても、陽介とのキスは飽きないくらい心地よくて、絡める舌の柔らかさや煙草の苦味、唾液で湿る歯の感触は、陽介を欲しがる媚薬だった。
「ん……」
キスを繰り返しながら、陽介の右手はゆっくり下降していく。
それに合わせて彼の唇が少しずつ移動していき、頬に、耳に、首筋に、優しく音を立てながら慈しむようなキスを注いでくれた。
あたしの脚の間に彼の右脚がグッと割り込んで、重みがのしかかる。
陽介は少し息を荒げながらあたしの胸をそっと包んだ。
「あっ……」
最初は焦らすように、撫で回される。
サッ、サッ、という衣擦れの音がやけにエロチックに聞こえてくる。
そして、あたしの着ていたパフスリーブの白いカットソーの中に忍び込んできた手は、真っ直ぐあたしのブラの中にその細い指を滑らせてきた。
「いや……っ」
小さな抵抗は反射的なもの。ホントはもっと触れて欲しいくせに、恥ずかしさから「いや」なんて言葉が出てしまう。
でも陽介はそんなことはお見通しらしく、クスリと笑ってみせるとその手を背中にまわしてあっという間にホックを外してしまった。
「相変わらず綺麗な胸してんな」
胸までたくし上げられた服とブラ。その下でブルンと露にされた双丘をまんじりと眺めながら陽介はそこに顔を埋めてきた。
「あっ、ああ……っ」
かと言って、陽介は絶対にすぐに頂を触れるようなことはしてくれない。
焦らすようにその周り、鳥肌が立ったようにキュッと縮こまった乳輪を舌先でつつくようになぞられると、たまらず背中がのけ反った。
同時に子宮がキュンと締め付けられる。
早く。もっと。
もう身体はあの快楽を欲しているというのに、陽介は一向に頂を攻める素振りを見せずに丁寧に乳房にキスをするだけだった。