非売品ストロベリー *性描写-4
すでにミスカも服を脱いでおり、裸の胸に抱き締められた。
背に回る腕の強さと暖かい体温に、眩暈がする。素肌同士が擦れ合う感覚も、何もかもたまらない。
「泣いた顔も、笑った顔も、エリアスの全部が好きだ」
耳朶を甘噛みしながら、ミスカが囁く。
「エリアスが好きだ。愛してる。独り占めしたい」
響く濡れた音と欲情に掠れた声に、どうしようもなく身体が火照る。
首筋から鎖骨まで舌でなぞられ、反り返った喉がヒクヒク震えた。
「ん、みすかっ、あ……わたくし……あっ!!」
返事をしたいのに、出せるのは切れ切れの喘ぎだけで、まともな声がでない。
揉みしだかれた乳房は興奮に張りを増し、先端も真っ赤に色づき尖りきっていた。口に含まれこりこり舌でねぶられると、さらに弾力を増し、その周囲までぷくりと膨らむ。
ゾクゾクした快楽が背骨を震わせ、両手でシーツを握り締めた。
海底城から逃げ出し、ミスカを好きだと自覚して以来、抱かれるたびに怖くなるほど身体の変化を感じていた。
時間も手間もかけることなく、まるで普通の娘のようにすぐさま蕩け出し、ひたすらミスカに抱かれる快楽に溺れてしまう。
それでも、あの依頼で接触した相手に、快楽はまるで感じなかった。
扉の向こうでミスカが平前と聞いていると思うと、腹立ち以上に耐え難く心臓が痛んだ。
苦痛と後悔ばかりで、早く終わらせることだけを考えていた。
「はぁ……は……」
荒い息をつき、震える腕で身体を支えながら、なんとか上体を少し起こそうともがく。
「エリアス?」
ミスカは怪訝な顔をしながらも、身体を起こしてくれた。
寝台の上で胡坐をかいたその下腹部に顔を寄せる。
「は……わたくしが……はぁ……したいのなら……かまわないでしょう?」
すでに硬度と熱を持っている雄を、唇で咥え舌を這わせる。数え切れないほど繰り返した行為なのに、快楽に煮え立った頭は混乱し、体中がふるふる震えて、うまく出来ない。
やはり、エリアスの身体はどこか狂わされてしまったようだ。
苦しいだけだった『作業』が、自分からしたいと思う『愛撫』になった。
口いっぱいに溢れ喉をふさぐ熱さえ、気持ちよいと感じてしまうなど。
ぺちゃぺちゃと猫のように舌を鳴らして唾液を塗りつけ、先端から滲む体液を啜るのに、夢中で没頭した。
義務感や計算など欠片もなく、ただミスカに気持ちよくなって欲しいと思った。
「っ!ちょ、待った!」
焦り声とともに、腰から顔を引き剥がされた。
「ん……あ……?」
興奮しきった頭は何も考えられず、ぼうっとしたまま押し倒される。
「気持ち良いけどさ、俺にもさせろよ」
とろとろに溢れ出している蜜を舐められ、大きく背が跳ねた。
「やっ、みすかっ、あっ!あっ!!」
充血した淫核を刺激されるたび、目の前に白く火花が散る。
銀髪に力の入らない指を絡ませ、何度も切羽詰まった悲鳴をあげた。
腰が砕けそうになってから、ようやく太ももを抱えあげられた。大きく開いた脚の合間に、ミスカの身体が割り込む。
「挿れるぞ」
唾液を溢れさせた半開きの口元からは、もう切れ切れの吐息しか出ず、コクコクと必死で頷いた。
一刻も早く埋め込んで欲しい。ミスカが欲しくてたまらない。
グチュリと押し広げられ、熱い楔に貫かれる。奥まで押し込まれた衝撃に、全身を突っ張らせた。
膣肉が歓喜にひくひく蠢く。
潤滑油などなくても、エリアスから自然に蕩け出した愛液が挿入を助け、ミスカを受け入れる。
十二分に濡れそぼっているのに、締め上げる胎内をこすり上げられるたび、頭が真っ白に染まる。
理性が欠片も残らず解け崩れ、必死でミスカにすがりついた。
ぼやけた視界に金色の瞳が綺麗に滲む。
「ん、あぁぁぁ!きもちいいっ!」
夢中で喘いで感じ、無意識の叫び声をあげる。
「いっぱい欲しい、ミスカ!あ、もっとぉ……!」
「好きなだけやるから、俺にもエリアスをくれ」
掠れた囁き声に、何度も頷き降伏した。
「ん、ん、あげますっ……あぁ……全部……」
繋がり、揺すぶられながら、唇も合わせた。
繰り返す絶頂のたび、神経が焼ききれそうだ。
動きを合わせ、脚を絡めて快楽に溺れきる。
注ぎ込まれる精に、身体を引きつらせ歓喜した。