恐るべき小学生-1
｢君、小学生だよね？こんな時間に１人で危ないでしょ？｣
夜の繁華街。市内をパトロールしていた警官３人と婦警１人は夜21時に酔っ払い、サラリーマン、水商売の女達が行き交う中に紛れて１人歩いている小学生を見かけた。男性警官は塾の帰りだろうと言って気にもかけなかったが、婦人警官の北山景子は迷わず少年に駆け寄り話し掛けた。
｢塾まで親が迎えに来てくれるはずだったんですけど、用事ができて来れないって言うから歩いて帰るとこなんです。｣
まるでもう慣れているような様子で答えた。
｢しょうがないわね…。親としてどうかと思うわ。オネーサンが送ってってあげようか？｣
無責任な親に腹を立てながら少年を本気で心配する景子。
｢だいじょうぶです。その駅から電車に乗って降りれば家は近くですから。｣
｢じゃあ駅まで一緒に行ってあげるよ。｣
｢え〜？いいよ〜。｣
｢良くないわ？金田さん、私この子を駅まで送ってきますね？｣
｢ん？ああ。じゃあここで待ってるよ。｣
｢すみません。すぐ戻りますから。じゃあ行くわよ？｣
｢は〜い。｣
景子は少年と手を繋いで駅へと向かう。すれ違う何人かの通行人が異色の組合せに視線を向ける。景子は少年に何気ない言葉でしゃべりかけるが、少年面倒臭そうに答えていた。
｢じゃあ気をつけてね？バイバーイ！｣
｢…｣
ぶっきらぼうに軽く頭を下げて少年は改札を通り人混みに消えて行った。景子が少年を見届けて職務に戻ろうとした時、少年は呟いた。
｢子供扱いしてると…レイプしちゃうぜ？フフフ。｣
ランドセルを背負った、伝説のレイパーのDNAを持つモンスターチャイルド・田口徹はニヤリと笑った。