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『由美、翔ける』
【スポーツ 官能小説】

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『由美、翔ける』-38


「ああん、あんっ、あんっ!」
 八日市を股の下に組み敷き、その上で由美は、淫らに腰を揺らし続けた。二人は今、真っ裸になって、“騎乗位”で繋がっているところである。
「ゆ、ユミさん、声が……声がでかすぎっ……」
「だ、だってっ……となりも、すごいんだものっ……!」

 ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐっちゅ……

「ひあっ、ユ、ユミさん、だめですっ……うわぁっ……」
 由美のいつになく激しい淫らな腰の動きに、八日市は翻弄されていた。
「あ、ああっ、よっくん、とめちゃだめっ、だめっ、もっと、もっとはげしくしてぇっ!」
「お、おねがいだから、こ、こえをおさえて、ユミさぁあん」
 普段以上の嬌声をあげている由美。おそらく、間違いなく、その声は、今は静かになっている隣の部屋に筒抜けになっているだろう。
「いやいやっ! となりに、まけたくないのっ! もっと、もっと、きもちよくしてよぉおおぉっ!!」

 ぐっちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ……!

「あンッ、あアンッ、んんっ、ンあっ、ああぁああぁぁっ!」
 由美の腰が上下する度に、淫らな音が繋がった場所から響いて、白く濁った泡立ちが、湯気でも立ちそうなくらいに熱く攪拌されていた。
 今二人は、生身のままで繋がっている。ゴムに覆われていない、八日市の剝き身の“陽茎”を、自らの腰使いで由美は、胎内に擦り付けているのだ。
「な、ナマすごい……すごい、あついっ……!」
 部屋を訪れる前に、今日が“安全日”であることを、オギノ式の計算で把握していた由美だったから、今夜は、八日市との“生”での接合を考えていた。
 “お隣の情事”を聞きつけることですっかり興奮してしまった由美は、濡れた股間を八日市に見せつけて、彼の鼻先に擦りつけて、匂いをかがせてその気にさせ、この通り、激しい交わりにまで進んだというわけである。
 “隣に聞こえている”ということがわかって、むしろ、動きが遠慮がちになってしまったのは八日市の方だった。だが、それを許さない由美は、自らの腰使いによって八日市を溺れさせ、情事に熱中させていった。
「ユ、ユミさん、僕、もうでるっ……!」
「あっ……」

 どぴゅっ、どびゅるびゅるびゅるびゅるっ……!

「あ、あつい……! あついのが、きてるぅっ……!」
 初めての生身の接合と、激しさを極める由美の腰使いに、たまらず八日市は、“射精”を始めていた。
「あつい……あついわ、よっくん………」
「く、ユ、ユミ、さん……!」

 びゅるびゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ……

「い、いっぱい、きてるっ、あ、あっ、ああっ……」
 胎内に収めた八日市の先端から、激流を内側に浴びて、由美の興奮もまた、最上の位置に登りつめて行く。
「ああっぁあああぁぁぁぁぁぁっ!」
 そうして由美は、激しいエクスタシーにその身を震わせ、隣に聞こえているであろう性の絶叫を、その口から迸らせていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「ユ、ミさん……」
 生身の繋がりあいに、八日市は陶然としている。初めて、なにもつけないまま、由美の中で果てることができたその気持ちよさに、彼はすこぶる、満たされたような顔をしていた。
「乱れちゃった……」
 絶頂の氾濫が収まり、八日市の胸に倒れこんで、その身を預ける由美。隣に聞かれている、と考えながら、その声を抑えられず、自分でもどうにかしていると思うほどに、熱い激情に身を任せてしまった。
「まあ、お互い様ということで」
「バカ……」
 恥らったように、八日市の胸に顔を沈ませる。
「恥ずかしくて、わたし、しんじゃいそう……」
 お隣を考慮して多少は抑えようとした八日市に反し、むしろ、お隣に対抗して快楽に溺れまくったのは由美なのだから、その“恥じらい”は、てんでお門違いと言えなくもない。
「でも、今日のユミさん、すごくエッチで、僕、最高でした」
「バ、バカっ……」
 二人が一番燃え上がるのは、“おしりでエッチな”ことをする時なのだが、それによって由美が“痔”になるのを防ぐために、いまは控えるようになっていた。
 その分、服を着たままするとか、由美に目隠しをしてからするとか、気分を盛り上げるための方策を、色々と考えてきたわけであるが、“隣に聞かれながらする”という、今夜のシチュエーションは、最高の盛り上がりを二人に与えることとなった。
「僕、ユミさんに、溺れてます……」
「あ、ン……よっくん……」
 ぎゅ、と体を強く抱き締められ、由美は少し、息苦しさを覚える。それでも、幸せな気分になるのは、抱き締めてくるその強さに、彼の想いが満ち溢れているのを感じ取ることが出来るからだ。
「ユミさんのことが好きで、好きで、僕、どうにかなりそうです……」
「ふふ、おおげさよ……」
 八日市にとっては、理想の全てが容になっている、由美の存在である。一歳とはいえ、“年上のお姉さん”であり、家事は完璧で、そのうえ、エッチも激しいときたものだから…。
「僕、ユミさんいないと、しんじゃいます……」
「わたしも、よっくんが、いてくれるから……」
 こんなにも、自分を必要としてくれるひとがいる。それが人を強くすることを、由美は初めて知ることが出来た。


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