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『由美、翔ける』
【スポーツ 官能小説】

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『由美、翔ける』-24

 さて、である。
「あ、ユ、ユミさん!」
「?」
 思考を少し別のところに置いていた由美は、八日市の様子が変化したことに遅れて気がついた。
「す、すみませ……あっ!」
「えっ……」

 どびゅるっ、びゅるびゅるびゅるっ…

「!」
 亀の頭を思わせるその先端から、真っ白な液体がほとばしり、由美のお腹の上に散らばった。
「わ、あ……」
「す、すみま、せん……」
 八日市は止めようとしているのだろうが、“陽茎”が脈打つ度に、白いものが次々と飛び出して、由美のお腹に降りかかった。
(こ、これが、射精……)
 男の子にとっての“エクスタシー”だと、桃子に聞かされたとおりのことが、目の前で起こっていた。
「よっくん、出ちゃったね……」
「まことにもって、面目ない次第であります……」
 予兆を感じるや、すぐに出てしまうとは思わなかったようで、由美にそれを告げる間もなく果てた自分を、八日市は情けなく感じている様子だった。
「ふふ。気持ちよくなってくれたのね」
「は、はい。ユミさんに、触られているあいだ、まるで、その、桃源郷に居るようでした……」
「お、おおげさだってば」
 ぎこちない指使いだったことを自覚している由美だから、八日市の物言いはやはり、大仰に感じてしまう。
「これが、“精子”……」
 由美は、お腹の上に散らばった白いものに手を伸ばし、指にからめとった。指先でそれを弄んでみると、粘つきながら糸を引いた。
(わたしのあそこを濡らすものと、似てる……)
 そんな印象を、由美は持った。
「あ、あの、ユミさん」
「?」
「非常に、恥ずかしいのです……」
「あ、そ、そうだよね。ごめんね」
 自分の体から出たものを、間近に見られる恥ずかしさは、由美もよく知っている。だから、すぐに、傍らにあるボックス・ティッシュから数枚紙を取り出すと、お腹の上に散っている八日市の“魂のかけら”を、丁寧に拭い去った。
「………」
「? よっくん?」
 同じく傍らにある小型のダストボックスに、丸めたティッシュを捨てた由美は、八日市が自分の姿を、凝視しているのに気がついた。
「ユミさん!」
「!?」
 がば、という擬音を当てはめたいぐらいに、性急な勢いで、八日市が覆いかぶさってきた。
「ど、どうしたの、急に……あ、あんっ、んっ、んっ……」
 触れたままで動いていなかった、胸を揉む行為が、再開されていた。その指使いは、非常にあらぶったもので、それに合わせるように、激しい愉悦が由美の体を伝播していった。
「よ、よっくん、よっくん……あっ、あぁっ、ん、んくぅっ……!」
 由美の体を、存分に愛し抜こうという、荒々しさの中にある八日市の意を感じた。先に、自分の果てを見せてしまった彼だから、余計に、恋人を気持ち良くしてあげようという意識が、あるのかもしれない。
 ならば、それを受け止めようと思う。
「あっ、よっくん……いいの……きもち、いいっ……!」
 由美の中でも、“リミッター”が外れた。
「キス、して……よっくん……ん、んん……」
 唇での触れ合いを何度もねだり、
「もっと、もっと、きもちよくして、おっぱい、もっと、揉んで……ん、んんっ!」
 胸から立ち上る快楽を求めて、彼に、更なる愛撫の奮起を促すのであった。


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