濃厚接触タイム-4
ダイニングでビールを煽っていた龍の父親のケンジ(43)が、いそいそと食器をキッチンに片付けに来た真雪に声をかけた。
「すまないな、真雪。いろいろと龍の世話、お願いしちまって。」
「いいのいいの、ケンジおじ、気にしないで。あたし、好きでやってることだから。」
「ほんとに好きでやってるんだ、真雪。」ケンジに向かい合って座り、サラダにドレッシングを掛けていたミカが呆れたように言った。「龍も幸せもんだよ。」
「ほんとにな。」ケンジも笑った。
「あんたも食べなよ。お腹すいただろ?」ミカが真雪に向かって言った。
「うん。後でいただく。今から龍の身体を拭いてあげるから。」
「え?そんなことまでやってやるのか?真雪。」ケンジが驚いて顔を上げた。
「そうだよ。だめ?」
「やり過ぎだろ。子どもじゃないんだから・・・・。」
「好きにさせれば?」ミカが言った。「龍の世話がしたくてたまんないんだよ、真雪。でも、」
ミカは真雪に顔を向けた。「マジで、今、食べな。」
「どうして?」
「ワケを言わせるか?あたしに。」
「え?なんでなんで?」真雪がタオルで手を拭きながら、座っているミカに近づいた。
「あんたが龍の身体を拭いてやる、ってことは、龍が着てるものを全部脱がせるってことだろ?」
「なるほど。」ケンジが小さくつぶやいた。「そういうことか。」そしてまたビールのグラスを口に持っていった。
ミカが続けた。「真雪がその時龍のハダカを見たら、もう我慢できなくなるだろ?そうなったら当分あんたはここに降りてこないじゃないか。」
「えへへ・・・それもそうだね。」真雪は頭を掻いた。
「だから、今あんたが食べてくれないと、いつまでたっても片付けができないよ。さっさと食べて。」
ミカは半ば無理矢理真雪をダイニングの椅子に座らせた。そして準備していた食事を彼女に食べさせた。