恋-7
「カリーに相手してもらうワケにゃいかねぇし、ほっといたら街に降りて女漁るからなぁ……ぶっちゃけ穴がありゃいいワケだし……俺は酷い扱いに慣れてっしな」
そこまで言ったゼインはいきなり吹き出して笑う。
「くくっ……無茶苦茶嫌がってた」
「そりゃ……嫌でしょ?」
男に興味もなければ男と寝た事も無いだろうに。
「のくせして上手かったなぁ……才能あるかもな……」
そんな才能いらない、とツッコまれそうだな……と思いつつ、男2人の絡みを見たかったなあとも思うポロ。
「お前もいつか笑うようになるかな?」
「え?」
暫く笑っていたゼインの突然の言葉に、ポロは驚いて顔を上げた。
「ポロの笑う顔見てぇなぁって思うけど……難しいな」
以前からポロの笑顔が見たいと言っていた……別に面白くないワケじゃないのだが、顔が笑顔を形作らないのはどうしようもない。
「ごめん……なさい」
普段から楽しい話をしてくれているゼインに申し訳なくなり、ポロは小さくなって謝る。
「別に謝る事じゃねぇけど……好きな奴でも出来れば自然と笑えるようになるかなぁ〜」
ゼインの口から出た言葉を聞いたポロは、いきなりボッと顔を赤くする。
「え?!居るのか?!誰だよ?!」
ポロの分かり易い反応に、ゼインは彼女の肩を掴んで問いかけた。
「好きって言うか……」
「まさか、スランか?!」
「ち、違う」
ポロは赤い顔をぶんぶん横に振って否定する。
「え……?じゃ……」
ポロが好きになる程、一緒に過ごした男など後1人しか居ない。
「だからっ!好きってワケじゃないのっ!ただ、落ち着くって言うか……その……触られたりするのが平気なの……嬉しいの……それだけなの」
そこまで言ったポロは、手に持っていたゼインの服で茹で蛸のような顔を隠した。
「……ケイ……?」
ゼインの言葉にポロは耳まで赤くする。
「おまっ……なぁんでそれを早く言わねぇんだよ!?」
人との触れ合いに馴れてきたとはいえ、触られて嬉しいと思えるなんて好きに決まってる。
「……だって……私、奴隷だし……人間じゃないかもしれないし……」
「うっ」
同じような事でカリーにアタック出来なかったゼインは、ポロの気持ちが分かり過ぎて言葉に詰まった。