恋-12
「キャラっていう魔力貯蔵庫が居るからねぇ〜ボクらは行けるけど、キャラは大丈夫ぅ?」
キャラの身体は魔力渦巻く異世界と、こっちの世界を繋ぐ扉のようなもの。
異世界に住む魔獣を呼び出して使役できるのは、魔獣に異世界のエネルギーを供給出来るからである。
そして、精霊や魔物は魔獣の子孫にあたる。
よって、精霊や魔物にとっても異世界のエネルギー……つまり、キャラの魔力は力になるのだ。
そんなワケでキャラは道中、体内に在る異世界の扉を少し開いた状態にしてエン=アビィに魔力を供給し続けていた。
魔力が体内を巡る感覚は、例えるなら性行為中ひたすら焦らされたうえにイカしてくれないような……そんな、感覚。
大分、馴れたし道中ちょこちょこアースに慰めてもらってはいたが、そろそろガッツリとヤらないと気が狂いそうだ。
身体が疼いて仕方がないキャラは、申し訳なさそうにケイを上目遣いで見つめる。
「……ひと晩……いや、1時間……休憩って……ダメかな?」
ケイが大急ぎでゼイン達……いや、ポロの元へ行きたいのは重々承知だし、キャラも同じ気持ちなのだが……このまま放置プレイしていると、誰かれ構わず襲いそうになる。
「良いっすよ?今日はもう宿を取って休みましょう。少しは身体を休めないと本番で使いものにならなくなるし」
エンとアビィも完全共有で興奮気味だし、どうせどこかで休憩しないといけないな、と思っていたから丁度良い。
「ごめんね?ありがと」
照れくさそうにお礼を言うキャラは、やっぱり我がお姫様に相応しい愛らしさで……淫乱な部分も許そう、と思ってしまう。
その後アースは、施設周辺を巨大な魔法陣で囲み『浄化』の魔法をかけた。
建物も転がっていた死体も、何もかも消すと『再生』の魔法をかける。
3日もすれば周りに馴染むぐらい木々に覆われ、静かな密林に戻るだろう。
でも、ここで起きた凄惨な実験や死んでしまった人達を、忘れずに心に刻んでおこう……ケイはそう思うのだった。
その頃ゼイン達は……そこから南へ、徒歩で1週間ぐらいの所にある街に居た。
「やぁん」
「ここかぁ?ここが良いのかぁ〜?」
「あぁんっ……オヤジみたい〜っじゃなくて邪魔ぁ」
密林をやっと抜け出したゼイン達は、久しぶりに屋根のある所で一夜を過ごしている所。
魔物のゼインに乗って行くと早いのだが、あまり変化を繰り返すとゼインが疲労で倒れる事が分かった。
そうなると2日間は寝こけるので、結局歩くのと変わらない。
そんなワケでゼインが寝こけていた2日間、彼を背負って歩いたスランはダウン。
ポロも元々体力が無いのでダウン。
ずっと寝てたゼインと、身軽なカリーだけが元気が有り余っている状況となった。
「ぁ……もぅ……ゼインったらぁホントにちょっと待ってって〜」
ソファーに座ったカリーを後ろから抱いたゼインは、服の上からたわわな胸をぐにぐに揉んでいたのだが、カリーは珍しくそれを拒否していた。
「ん〜…何やってんだ?」
ゼインは胸を揉んでいた手を下ろしてカリーのお腹の前で組み、ちょこんと肩に顎を乗せて彼女の手元を覗き込む。