〈悲哀奴隷・銭森瑠璃子〉-15
「く…糞の穴……気持ち良い…ですぅ!!」
もう一切の拒絶は許されはしない……鬼畜達が瑠璃子に群がっているのではなく、瑠璃子から進んで貪りに掛からなくては架純が危ないのだ……好いように利用されてきた女は、この期に及んでも利用され続け、いずれ妹の春奈が観るであろう映像の中に、これ以上無いくらいに下等で愚かな牝として記録されていく。
啜りきれない鼻水はブラブラと垂れ下がり、涎を垂らして肉棒を喰わえる秘肉と、生殖器と化した肛門は接写で捉えられる。
胸肉は鬼畜達の腰使いに合わせてタプタプと楽しげに揺れ動き、嫌悪に歪んだ泣き顔すら愉悦を漂わせていた。
『……約束通り、お前達を自由にしてやろうか?』
専務は架純と大翔の檻を開け、二人に自由を与えた。大翔は急いで架純の元に駆け寄り、思い切り抱きしめながら部屋のドアを開けて駆けていった。
『……さあ、俺は約束を守ったぜ?もっと本性を曝け出して悶えろよ……ドスケベで淫乱な姿をカメラに晒せ……』
専務は少しだけ安堵の表情を見せた瑠璃子をそのまま部下達に任せ、二人の後を追った。
部下達の罵声と歓声、それに混じる瑠璃子の淫らな言葉は、鉄のドアに塞がれて消えた……。
「……ひ…大翔……」
「……大丈夫……大丈夫だよ……」
二人は甲板に立ち尽くしていた。
真っ青な空には白い大きな雲が浮かび、群青の海には白い航跡が伸びている。
あの部屋からは逃げられた。
だが、この貨物船から逃げられた訳ではない。
あの狭い檻から出られただけで、この巨大な“黒鉄の檻”からは逃れられはしないのだ。
『よぉ。どこに行くんだ、お二人さん?』
「!!!」
絶望の表情の二人が振り向くと、艦橋のドアにもたれ掛かっている金髪鬼の姿があった。
「も、もう一度俺達に変なコトしてみろ……この海に飛び込んでやるからな!」
大翔はきつく架純を抱きしめ、自ら死を選ぶと叫んだ。
その強張った泣き顔は、無神経な専務にも本気であると思わせる気迫に満ちていた。
(こんな奴らに大切な人を汚されるくらいなら……)
それは二人の共通した想いだった。
『馬鹿野郎。ヤルつもりなら檻から出しはしねえ……ま、元々瑠璃子が俺達の狙いだったんだ……アイツの“はしたない姿”を撮って、アイツの爺に送り付けるつもりだったんだからよぉ。お前らは、その“出汁”ってワケさ』
どう考えても説得力に欠ける台詞だが、二人には無理に抗う理由も無い。
緊張した面持ちのまま、二人は専務を見つめていた。