第1話 ドリームメイカー-1
来須野心は幼い時から夢を良く見る少年だった。見た夢が叶う訳ではないが、普段こうなったらいいのに…そう思う事がたいてい夢に現れ願望を満たした。夢の中で叶う願望…まるで映画を見ているような気分だった。あまりに楽しい夢だった為、その夢の数々を日記がわりにパソコンに書き込み始めたのが小学3年生の頃だった。その日記を読み返すだけでも夢で見た映像が蘇り楽しい気分になった。
異変に気付いたのは小学6年の時だ。クラスメートの香川隆信が言った一言がきっかけだった。
「あ〜、京子ちゃんと付き合いて〜!せめて夢だけでもいいからさぁ、そんな夢見たいなぁ…」
大好きな嶋田京子という女の子に恋していた隆信が言った一言、それがきっかけだった。
(隆信と京子ちゃんが付き合う物語、書いてみようかな…。)
自分の夢を書き綴ってる内に小説に興味を持つようになった野心。知ってる人間を題材にして物語を書く事はリアルに感じて面白そうだと思った。野心は家に帰りさっこす隆信と京子が付き合う夢を作り始めた。
「香川隆信の夢…っと。」
タイトルを書き示した。それから想像を膨らませながら物語を完成させた。
その瞬間だった。非現実的的な事が起こり始めたのは…。
「ん?」
野心はパソコンの異変に気付く。操作もしていないのにいきなりメディアプレーヤーが開いた。
「な、何だよ。クリックしたっけかなぁ??」
閉じようとするが全然閉じない。
「と、閉じねぇ…」
何度閉じようとしても全く閉じない。
「壊れたか?いや、フリーズしてるだけかな??」
少し放置してみた。