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にゃんた、ドラックストアから、空を見る
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にゃんた、働く-1

にゃんたは、自分がドラックストアで働くなどと、今まで想像だにしていなかった。


「にゃんた、ごめんね。猫なのに働かせちゃって。」


睦美は申し訳なさそうに、にゃんたの頭を撫でた。


元々、ドラックストアで働いていたのは睦美だった。

26歳、高校を卒業して以来フリーターのパートとして、実家暮らしをしながらドラックストアで長らく働いていた。


それが、前日、ポスターを貼るために乗っていた脚立から落下し、怪我をしてしまった。


全治3ヶ月。人手不足の店は、睦美1人を失うのは大打撃だった。


周りの店舗も人を補充する余裕はなく、睦美の知人も皆仕事をもっており、代打を探すのは酷く困難だった。


そこで白羽の矢が立ったのは、


飼い猫のにゃんただった。

にゃんたは頭が良く、計算も苦手ではなかった。

多少、融通が効かないところはあるものの、補充くらいなら出来るだろう、と、

持ち前の楽観視で睦美はにゃんたに仕事をしばらく任せる事にしたのだった。


「気にしないで。愛玩以外で飼い主の役に立てるのは、ペット冥利につきるというものだから。


じゃあ、いってきます。」

にゃんたは、その愛くるしい姿には似つかない口振りで応えた。

今日は、初勤務の日。

真面目に職務を果たそう。そう胸に決め、にゃんたはドラックストアへ向かった。


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