私にも気持ちいいこと教えて下さい-9
「おまたせ風音ちゃん…… 学校にはちゃんと連絡したから心配ないよ?」
あれから十五分くらい経過しただろうか───
僕はクスリ片手に部屋へと舞い戻るも、風音は相変わらず制服を着たまま、
ベッドの上でくの字に丸まり苦しそうに咳き込んでいた。
(着替える気力も無いくらいしんどいのか………… これはかなり重傷だなぁ……)
僕は風音に近寄り、そっと手を額に翳すも、
尋常ではないその熱さに一抹の不安を覚えた。
(もともと女の子は体温が高いと言われるけれど…………
何にせよこの恰好のままじゃ余計に風邪を拗らせてしまう…………)
そう思い僕はごくりと唾を飲み込むと、
意を決して風音の制服を脱がせる事にした。
つい先程、偶然ながら雫に着せたばかりの同じ制服。
まさかこんなところでいきなりその経験が役立つとは…………
袖のボタンをはずして、サイドのファスナーをあげると、
リボンをほどいては少し胸元を緩める。
腰に手をまわして体を持ち上げながら、ゆっくりと両手を抜いてやると、
ふたつのたわわな膨らみが僕の目に飛び込んできた。
昨日、お風呂場で目にした時も感じたけれど、
風音の胸は予想以上に大きいみたい。
これが俗に言われる着やせするタイプというヤツなのか、
普段きっちりとボタンを締め、露出を控えているぶん、
そのギャップに僕はどうにもドギマギしてしまった。
(だ、駄目だ駄目だっ…… こんな時に何考えているんだ…………)
僕は風音の体を横に移動させると、隠すように上から布団をかぶせ、
手探りでスカートを降ろしはじめる。
流石に下までみちゃうのは駄目だろうと配慮しての行動だが、
これがまた思いのほか難しく、
体を持ち上げるために何度かその柔らかなおしりを触ってしまった。
(ふぅ………… 無抵抗な人間を脱がすのがこんなにも重労働だなんて…………)
そう思いながら僕は額の汗を拭い、
脱がせた制服をハンガーに掛け壁に吊していると、
「んっ ごほごほっ…… 苦………… しい…………」
大きな咳払いと共に何やら小声で呟く風音。
「何? どうしたの? 大丈夫…………?」
「む、胸が………… ごほっ…… 胸が苦しい…………」
苦しそうに咳き込みながら、僕にそんな事を訴えかける風音。
いや、朦朧とした状態なのだから、
相手が僕だなんてことさえ認識していないのかもしれない。
(こ、困ったな………… きっとブラしたままだから苦しいんだろうけど…………)
僕は少し狼狽えながら風音の様子を見守っていたものの、
そのあまりに苦痛の表情がいたたまれず、
もう一度、勇気を出して布団の中へと両手を滑り込ませた。