相変わらず君は罪な男だな-6
「でも、それが『我慢』とどんな関係が…………」
「ふふ、それこそ自己処理推進派である先輩や君が得意とする分野ではないかな?
自慰行為においてのしかかる大きな虚無感と背徳感、
それは場合によっては自己嫌悪の対象になりうるのではない?」
「自慰行為における自己嫌悪…………?」
「うん、一例ではあるけど私の受け持つクランケには、
異性との性交渉に抵抗は無いのに自慰行為の背徳感だけはどうしても許せなくて、
むしろそれが原因でSEX依存症に陥るなんてパターンも少なく無いのよ?
そういったクランケはそれこそ自慰行為を我慢してSEXをしていると言えるわ」
自慰行為を我慢してSEXをする
───なるほど、確かにそれもまた我慢のひとつだ。
「もちろん異性との性交渉は相手ありきという条件しかり、
女体において様々なリスクがあるのも否めないわよね?
そのリスク回避のため自慰行為で性欲を抑制するのもまた人智だと思うけど」
これもまた言い得て妙な意見であり、むしろこの、
SEXが出来ないから自慰行為で我慢をする
───の方が一般的な意見だとさえ思う。
「つまり…… 性衝動を我慢するという行為には、
何らかの理由で性交渉が出来ないため自慰行為で我慢するのと、
同じく何らかの理由で自慰行為が出来ないため性交渉で我慢する、
の二種類に分けて考えられる………… と言うことですか?」
「うん、あくまでも大きく分類するとだけどね…………
例えばこういう場合………… 君ならどういった反応を示すのかな?」
そう言って美咲さんは、突然僕の耳を軽く噛んだかと思うと、
両手で体を撫でまわしながら、ゆっくりと僕の股間へと手を伸ばしてきた。
「え? ちょ…… み、美咲さん???」
「今日君はいったい何人のクランケの性処理をサポートしてきたの?」
「き、今日は………… その……」
「思い出してみてよ? その時その子たちが見せた甘味なイキ顔を…………」
「み、美咲さんっ だから何をっ」
「君だってひとりの男なんだからさ…………
そうやって妄想して、こうして触られていると…………
ほら………… あっという間に堅くなってきたじゃない?」
「そ、それはっ…………」
美咲さんの細い指が、僕の股間を艶めかしく撫でまわす。
さすがに経験豊富なだけあってかその扱いはお手の物で、
戸惑いなどお構いなしに僕の体は見事なまでの反応を示していた。
「ねえ………… SEXしようか?」
「!? だ、駄目ですよっ」
「どうして? 君のここはこんなにも私を欲しているじゃない?」
「そ、それは美咲さんがっ」
「なら………… この場でオナニーでもしてみせるの?」
「ええっ? そんなことっ 出来るわけないじゃないですかっ」
「ふふ、そう………… なら君はいったい何を『我慢』しているのかしら?」