二つの閃光-1
雲一つない、清々しい空だった。
桜が散り、しかし葉が青々と繁るにはまだ早い時期の朝、校門を数多の生徒が潜ってくる頃、屋上の修一は遠くにざわめきを聞きながら近くの大きな水音に浸っていた。
「んあああああッ、片桐君ッ、気持ちよすぎるぅッ……はあん! あああんッ!」
見事なまでに反り返った膨張を下の口で受け止める友美は、トレードマークのツインテールを大きく揺らしている。
上下に動かす腰で膣内に埋まる肉柱を扱きながら、中を擦られる快感を貪っているのだ。
友美にはその行為よって起こる感情の催眠は掛かっていないが、気持ちいいことに変わりはない。
それを物語るように粘液が結合部に広がり、肌の打ち付けでこね続けられ、白く濁っている。
周囲のクラスメートたちはねちねちした水音を腰を振ることで大きく響かせる友美を羨み、自分が得ている幸せを貪っていた。
「んっ、はんぅぅ……あんっ、凄くビンビンしてる……」
「はぁぁんっ、嬉しい……片桐君の乳首、こんなに可愛いのにカチンコチン……ちゅっ、へはぁぁん……」
あんなに大きく口を開いて修一の男根を頬張り合っていた、あるいは大胆に舌を伸ばして舐め合っていた麻里子と愛理は、修一の乳首に尖らせた唇を押し付けて吸い付いたり、舌先で弾き上げたりして、修一に与える快感の一部を担っている。
修一を見ただけで起こるショーツを濡らしてしまうほどの疼きを慰めることで友美が奏でる水音にハーモニーを重ねながら、最高の幸せに酔いしれ口舌に熱を籠らせるも、修一からの性的快感も与えて欲しいと上目遣いに強請る。
しかし修一は花梨と濃厚なキスを交わしているので、目はおろか顔もまともに見ることができない。
「片桐がこんなに素敵な人だったなんて……」
花梨は修一の頬を挟むように手を添えて、便器として使われる前の口を必死に寄せていた。
上品な唇を擦り合わせながら舌を挿し込み、絡め取られ、その心地よさに心奪われ、恍惚とする。
グショグショになっているショーツを介して大事なところを触っている修一の手に背筋をピクリと弾ませ、喘ぎと吐息を含ませる接吻を情熱的に繰り広げている。
「友美ちゃん、あんなに激しく……」
修一に膝枕をしている美波は快楽が交錯する様子を目の当たりにして内腿をもぞもぞさせながら、手探りに修一の耳を撫でて多少なりとも快感を与えようと努める。
自分なりに与えている性的興奮が、友美が膣という場所で快感を与えている修一の剛直を肥大化させることを期待しているのだった。
「んあああッ! 片桐君のが膨らんでるぅぅ……もうッ、イッちゃう! イッちゃうよッ、んくぅッ!」
ぬるぬるした襞が絡み付く陰茎が強い締め付けを受けながら扱かれ、修一は射精感を膨らまさざるを得なかった。
耳からも乳首からも与えられる快感も、陰唇をどれだけ弄っても達することのできない苦しさを体で示す花梨の服従心を表したようなキスによる興奮も寄せ集めた肉杭を、騎乗位の友美が快感で包み込んで導いてくれる夢のような状態。
「イクッ、イクッ、イクッ! あああああッ! ッッッッッ!」
遮るものは何もない。
直に触れる雄のたぎりを牝の本能で締め付けながら根元まで受け入れ続けた結果、友美は大きな快感に呑まれて胸を反り返らせていた。
「あうう……片桐君のが、一杯……お腹に入ってきてるよ……ッ……ああッ……」
息も絶え絶えだに言う友美に胸板の二人は羨望を送り続けている。
「じゃあ、見せて」
「うん……はあぁぁッ、ッッッ……」
修一の命令に逆らえない“だけ”の状態の友美は、寄せては返す快感の波に揉まれている体にどうにか力を入れ、射精の終えた逸物を解放する。
そのまま後ろへ、修一の脚の間に尻餅を付くように座ると、股と、指を添えた陰唇とを一杯に開いた。
「み、見える……かな……?」
修一は美波の膝枕から頭を持ち上げ、肉棒を掃除している二人の頭の向こうに顔を赤らめる友美を見る。
友美がくぱぁっと開いた淫靡な輝きの中からは、自身の快感の証がでろぉりと垂れてくる。
それを凝視し、分身への転移を念じると、確かに白濁は消え失せ、修一の股間から蕩けた声が上がっていた。
「はぁぁん……舐めても舐めても溢れてくるぅん……」
「先に残ってるの吸い出さなきゃ、だね」
友美が塗りたくった愛液と修一が放った精液とがこびりついている肉塊を愛しげに舐めている二人のうち、麻里子の方が先端から唇を潜らせていった。
「んふぅぅぅぅ……んっ、んぅぅ……」
修一の逸物をなるべく深く咥え込み、キュッと唇を絞めて首を引いていく。
少し強い脈動の後に鈴口から漏れ出た残滓が舌に触れ、麻里子は得も言われぬ幸福に身体中を震わせながら再び竿を飲み込んでいく。
後処理にあたっているもう一人である愛理は、根元や股関節、陰毛付近にまで溢れ出た逆流液を中心に、友美の恥ずかしいお汁を舐め取っていた。
SHRの十分ほど前まで朝の一時を堪能した修一は、教室に戻って目を見張った。
澪の姿があったのだ。