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レイプ犯 湯島武史
【レイプ 官能小説】

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陰と陽 -12

 授業が終わり放課後になる。廊下を歩きながら武史に会う口実を考えていた絵里。ふと窓の外を見ると1人の生徒を何人か囲んでいる姿を見てしまう。
 「何してるの!」
絵里は慌てて現場に急ぐ。
 「ちょっとあなた達!何してるの!」
多勢に囲まれている生徒が手を背後に回す。
 「ちょっと見せなさい!」
虐められているであろう生徒の手を掴み見てみると赤くを通り越して紫色に色が変わっていた。
 「どうしたの、これ…」
虐められている生徒は怯えながら答えた。
 「な、何でもないです…」
 「何でもない訳ないじゃない!みんな、何したの!?」
虐めている生徒の中のリーダーらしき生徒、中山悟が言った。
 「罰ゲームしてただけだよ。」
 「罰ゲームって…何の罰ゲーム?」
 「別に…?」
 「別にじゃないでしょう!?」
問い詰める絵里に逆切れする。
 「うるせーなぁ!先生は担任じゃねぇし関係ないだろ!?」
 「関係なくないわよ!担任とか関係ない!あなた達…いえ、この学校の生徒はみんな私の教え子よ!」
普段怒った事もない絵里が凄い形相で怒りの表情を浮かべている事にみんな戸惑い驚く。
 「悪い事は悪い!誰の担任かなんて関係ない!教師は学校での親代わりなの。悪い事したら先生は怒るわ!」
凄い迫力の絵里にたじろぐ。
 「そ、そんなマジにならなくても…」
 「マジになるわ!人を傷つけて喜んでる人間を許す事なんてできない!」
 「じ、じゃあ先生は今まで人を傷付けた事ないのかよ…!」
絵里はドキッとする。しかしすぐに気を取り直す。
 「あるわ…?」
 「何だよ!あんじゃんかよ!」
 「そうよ。あるわよ。一度も人を傷付けた事のない人なんていない。いないのよ。でもね、先生は昔傷付けた事を凄く後悔してる。大人になった今でも後悔してる。苦しいの。凄く苦しいんだよ?私はこれだけ苦しんでるけど、でもその人はもっと苦しんでたと思うの。ただその時楽しいから…、そんな軽い気持ちがその人の将来を変えてしまうかも知れないんだよ!?きっと恨んでると思う。私は何気ない事をしただけだと思っても、その人にとっては今も私を恨んでるかも知れない。きっと恨んでると思う。今になって凄く後悔してるの。みんなが大人になって結婚して子供が生まれたとして、自分の子供が酷い事されたら平気?」
 「えっ…?それは…」
 「平気じゃないよ。もしあなたが虐められてたとしたら、あなたの親は悲しむでしょう。心配するでしょう。虐めた相手を憎むでしょう。他のみんなもそうよ?イジメに加わらないで仲間外れになるのが怖くてイジメをする勇気よりも、弱い人を助ける勇気を持って欲しいのよ、先生は…。あなた達の親としてそう言う勇気を持って欲しいの…」
絵里の目から涙が零れた。
 「い、行くぞ…!」
イジメを行っていた生徒達は走り去って行った。
 「先生、ありがとう…。ボクもやられっぱなしじゃなくて勇気を持つよ。自分を守る為に。決して人を傷つけるためじゃないからね?」
 「うん。」
涙を拭きながら笑顔を浮かべる絵里。生徒が走り去っていく背中をじっと見つめていた。
 「…私もケジメをつけなきゃ…」
空を見つめた絵里。次の日からその生徒達によるイジメはピタリと止まった。
 絵里は決して良い事をしたとは思っていない。自分が勇気を持つ為に生徒を巻き込んでしまったとさえ感じている。偽善者…自分をそう思う。その偽善者から卒業する為、絵里は勇気を持った。


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