初めての看病-1
お約束のように雨が降っていた。
あたしは近藤君との約束をすっかり忘れ
雨の日の休日を昼まで寝ていた。
そのあと友達に呼び出され軽く夕飯を兼ねた飲みに行き
家に帰ってきてお風呂に入ろうと準備をしているところで
なぜか突然近藤君のことを思い出した。
「あ・・・!」
駅で、とは約束した。
でも時間は言ってない。
お互いの連絡先は教え合ってない。
来たかな?
来た・・・よね?
でも!もう、帰ってるよね?
ううん・・・
近藤君なら待ってそう。
あの人たちにあんな嘘くさいアイディアを教えられても
素直に行動しちゃう人だもん。
待ってそう。
待ってる!
あたしは部屋着の上にカーディガンを羽織って
サンダルを履いて表に出た。
秋の冷たい雨は朝から降り続いていて
空気までもが冷たかった。
駅に着いたあたしは息を整える暇もなく
近藤君を探した。
彼はいる。
絶対にまだあたしを待ってる。
根拠のない確信であたしは近藤君を探した。
「片山さん・・・・」
傘をさした近藤君はあたしの前に立つと
にっこり笑った。
「あ〜。よかった。無事だったんだね?」