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命令チップ01
【SF 官能小説】

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そのチップが始まりだった-2

朝から強烈な光景を目の当たりにして面食らっていたが、最後に男が持ったチップは、
僕が握っているチップと同じだった。
やっぱり探していたのはこのチップなんだろう、
でも渡しに行けない雰囲気があった。

僕はチップを眺めながら、学校について席に座ると、
友達が近づいてきて、挨拶をしてくる。
「おっす、ねーこれなんだと思う?」挨拶そこそこにチップを見せると、友達は不思議な顔をして
「ん? なんだろ? パソコンの部品かな? 見せてよ」手を伸ばしてきたので彼の手に置いた。
すぐに友達は「あれ?」と言って手を見せると、
手に置いたはずのチップがなくなっていた。
「おいおい勘弁してくれよ。 落ちたのかな?」僕達二人は床を探したが、見当たらなかった。
結局なんだったのか分からないし、みつからないので、
そのうちにどうでもよくなり、昨日のTVの話題で盛り上がった。
僕はそれからいつも通りに、満員電車に乗り、平凡な日々を過ごしていた。

そして1週間後に、それはおこった。
朝、友達と話していると、机にチップが転がる。
「あれ、これって…お前のチップじゃん」と友達が掴んで渡してきた。
僕はチップを受け取ると、「いままでどこにあったんだろう……」と不思議に思った。

その直後、頭の中で明確なスイッチができた。
目に見えるボタンではなく心にできたスイッチなのだが、
全く不安定じゃなく、不思議とON/OFFが簡単にできると確信した。
それは目の前の友達のスイッチだと分かる。
試しにONにしてみると、
友達の体が、僕にできた新しい手足の様な感覚になった。
同時に幾つもの小さいスイッチが現れた。
「なんだこれ」と友達の声を使って喋っていた。
僕と友達、2つの体を動かす事ができるし、違和感が感じられない。
彼の目のスイッチを入れると、彼が見ている物が見えだした。
「すげーぞこれ」と僕の口で喋った。
友達に変な格好させてみたりして色々動かしてみる。
OFFにすると、友達はきょとんとしている。
どうやら、本人は僕に支配されている間は、覚えていないらしい。
小さいスイッチは、説明されなくても分かるけど、授業中に1つ1つONにして確かめた。

すごいぞ、このチップがあればどんな人でも操れるんだ。
不思議なチップを手のひらに乗せて考えていた。


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