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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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自覚-6

「ポロを連れて来てたのって、ゼインとカリーなんだよっ」

「え?え?ホントに?」

「ホント!ちっちゃいゼインとボンキュッボンのカリー!!」

 姫様の驚愕の顔が見る間に歓喜へと変わる。

「え?でも、2人が危険ってどういう事?」

 なんて事を手を握り合って話すケイと姫様の間に、アースが割り込み2人をベリッと引き剥がした。

「先ずは落ち着け……そんでケイ、知ってる事を詳しく全っ部話せ」

 4人はソファーに座り、アースの出してくれたお茶とお菓子を口に運びながら話をする。

 ゼイン達と会った時の事……ポロの事、ゼインとカリーとスランの正体や秘密も全部、洗いざらい話す。

 それを聞いた姫様はゆっくり息を吐いて、ソファーに深く沈んだ。

「オレが家出した時……」

「家出?!」

 姫様の言葉にケイは思わず身を乗り出す。

「あ、ケイさんは知らないんだっけ……えっと……ライン兄さんと喧嘩して家出したんだよね、実は。体裁が悪いから留学って事にしてただけ」

 本当はもっと深くて複雑な事情があるのだが……その話はまた別の話になる。

「その時、西の大陸で会ったのがゼインとカリー……路金が尽きて飲み屋で住み込みのバイトしてた時に会ったんだ」

 そこで酔っ払いが暴れて無事に取り押さえる事が出来たのだが、警備隊が来ると聞いて身分がバレる前に逃げた。
 その時、バイト先に置きっぱなしにしていた荷物やバイト代を、店主に頼まれて持って来てくれたのがゼイン達だった。

「それから1年くらい一緒に居たんだけど……ほら、あの2人って分かり易いじゃん?」

 なのに、夢でうなされて泣いている自分に優しくしてくれたりして……自分も自分で、一番不安定な時期だったのでつい甘えてしまった。

「ずっと悪いなぁって思ってて……で、ゼビアが近かった時に別れたってワケ」

 その後、ゼビアに行ってアースと出会った……と、姫様はアースを見たのだが、その顔は物凄く不機嫌そうだ。

「あのさ、アンタと会う前の話なんだから怒んないでよ」

「……分かってる……」

 分かってはいるが、やはり気分は良くない。
 そんなアースを見て苦笑したケイは、店でのゼインとカリーの様子を思い出した。

「だからか〜…いや、店で写真見せた時に2人共難しそうな顔してたんだよな」

 写真の姫様は小さく写ってたし、おめかししていたので似てはいるが、まさか過去に一緒に旅した『キャラ』だとは思わなかったのだろう。


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