自覚-5
「いてて……まともに見ちゃった」
ソファーに座ったアースに股がり、身体を上下させる姫君。
女性にしては筋肉質だったが、くびれた腰に丸いお尻は絶品だった。
思わずにやけていたら、エンがニコニコしてやって来た。
「もしかして知ってた?」
「ん〜?姫様の裸、良いでしょ〜?」
エンはにまにまとスケベな笑い顔で白状する。
「これ、不可抗力だよな?」
アースに殴られる事は無いよな?と言うケイに、エンは肩をすくめて見せた。
「いや?ノックしなかったんなら殴られるっしょ?」
エンの答えにケイはやっぱりかぁ〜、と天を仰ぐ。
丁度その時、ドアが開いてアースの鉄拳が飛んできた。
ゴッ
鉄拳はケイの頭上に振り下ろされ、ケイは頭を抱えてしゃがみ込む。
「いってぇ」
「ふざけんなっ!ノックぐらいしろよっ!!」
別に自分のセックスを見られるのは構わないのだが、愛する妻の淫乱な姿は見せたく無いのだ。
「ごめん、ごめんなさい……ちょっと急いでて……」
自分だってノックしないクセに、と思ったが火に油を注ぐだけなので黙っておく。
「何かあったんですか?」
一通り身支度を整えたキアルリア姫がドアを大きく開け、部屋に男共を招き入れる。
事が終わったばかりの姫様の頬は、艶々とピンク色に染まって何だか逆に艶かしい……さっきの光景が頭に蘇ったケイは思わずにやけた。
「コラ」
鋭いアースに咎められ、ハッと現実に戻ったケイは頭の上を手でパタパタ払う。
「そうそう、力を貸して欲しいんだ!」
ケイはツカツカと姫様に詰め寄り、その手をぎゅっと握った。
「ゼインとカリーが危ない」
ケイの口から出た名前に、姫様の目が大きく見開かれる。
「ゼ…イン?え?何で?」
懐かしい名前に姫様は見開いた目をパチパチさせた。
その姫様の様子に、アースとエンは不思議そうに顔を見合わせる。