初デートは秋葉原-1
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「デート?」
「はい。今日は休みですし、偽物とはいえそれぐらいはいいですよね?」
「ま、まぁ大神くんがどうしてもというならね」
「どうしても先輩とデートしたいです」
そんなやり取りがあり、俺は今白いワンピースを着た先輩と――秋葉原にいた。先輩の要望で。
「あーきはーばらー!人がゴミのようだ!」
え、先輩どうしちゃったの?
「実はね、秋葉原って来たことなくて一度来たかったんだよね!」
「そうなんですか?」
「うん!昨日DBのゲームがやっと発売して、欲しかったからちょうどいいな〜って!マアゾンでもよかったんだけど、店舗特典とかついてくるかもしれないしね!」
かなりハイテンションの先輩。よっぽど嬉しいんだな。
「DBってもしかしてドラモンボーカルですか?」
世界的な有名なアニメ作品『ドラモンボーカル』とは、七人のボーカルを集めるとなんでもひとつ願いが叶うドラモンボーカルを集める少年の物語。ちなみにナメクジ星にいるドラモンボーカルを集めると、三つの願いを叶えられるという。
「って違う!たしかにドラモンボーカルも人気だけど、私が言ってるDBはデビルビーツのこと!」
「デビルビーツ……」
俺と先輩に繋がりをもたらしてくれたアレか。
「私は誰っ子ではないんだけど、前山駿さんの描くストーリーは好きなの。
ランナドの誰子ちゃんも可愛いし。今度リアーのDVD買ってみるつもり!『もうスタートしていいよね』は原作やったことのない私でも知っている名シーンなの。誰か原作持ってればいいんだけど、私の周りにいないのよね」
何を言ってるのかさっぱりわからなかった。
「あ、ごめんね私ばっかり」
先輩は俺が苦笑しているのを見て、一人言のような会話をやめた。
「えーとまず『誰っ子』っていうのはね、DBとかランナドとかを作ったwhoって会社があるんだけど。そのwhoの作品が好きな人のことを誰っ子って言うの。それから」
また話始めた!熱いなぁ先輩。