少女の蜜液-1
三和土から廊下に上がった勝雅は振り返った。紗綾がローファーを脱いで、スリッパに履き替えているところだった。靴の中敷きにピンク色のハートが描かれたローファーは、可愛い紗綾に似合っている。勝雅は踵を返してローファーを手に取った。持ち上げて匂いを嗅ぐ。
「わるくない…。靴の中もいい匂いがするじゃないか」
紗綾は眉を顰めた。顔のこわばりは、これからのことを予感しているからなのか? それにしても真っ直ぐに伸びた綺麗な眉毛だ。
玄関入って左手にあるキッチンから、デミソースの匂いが漂ってきていた。
(また、ハンバーグか…)
「美恵子、今日の晩飯はなんだ?」
格子細工の引き戸の向こうに向かって声かけた。
「デパ地下で買ってきたクックマルシェの煮込みハンバーグ。あなた、好きだったでしょう?」
「ああ…」
「今、温めてますから」
「ちょっと、紗綾に話がある。先に食べててくれ。ええな」
「はーい。わかりました」
「スクールバッグをそこに置いて、部屋に来なさい」
「はい…」
顎を引いて伏し目がちになった。
長い廊下の左手にある勝雅の書斎には、プラズマテレビ、ノート型パソコン、書棚、冷蔵庫、鹿の剥製、少女のマネキン人形などが置かれていたが、フランス製のダブルベッドもあった。書斎と呼ばれていたが、実質的には、勝雅の寛ぎ部屋だった。
鉄製の扉を開けて、一旦下がった。セーラー服に包まれた乳房を視姦しながら、紗綾の右横に並んだ。華奢な肩に左手を置いてみた。