竹中君とのデートA-1
陽は西の空に沈みかかっていた。夕暮れ時の緑地公園は静寂そのものだ。ひんやりとした空気が紗綾の頬を撫でている。
ベンチに座ったふたり。竹中の左手は紗綾の背中を抱きしめた。頬と頬が近づく。
「もっとキスしたい」
切なげな声だ。
「私たち知り合って、まだ日が浅いわ…。こんなことしていいの?」
「どういうこと?」
「どういうって……お茶したり、話したりして、理解を深めるのも大事かなって思っただけ」
「それはこれからさ。僕は君のすべてが好きなんだから、許しあえるよ。許しあおう!」
紗綾の唇はふさがれた。強く吸ってきた。
(理性を見失いそう…でも…)
紗綾も竹中の唇を吸った。愛情表現してくれているのだから、自分もしなければ―。
竹中の唾液は唇を濡らしてチュルチュルと入ってきた。妖しい喜びに心が沸き立つ。初めての体験だった。
キスのさなか、背中を抱いている手にギュッと力を込めながら、竹中は立ち上がった。つられて紗綾も立ち上がる。
不安がよぎった。唇を外した。
「どうしたの?」
「お尻を…」
「えっ?」
竹中の頬は紅潮している。
「紗綾さんのお尻を撫でたい……。モンドバーガーでバイトしている紗綾さんの後ろ姿を見たときから、そう思っていた」
「えっ……」
呆気にとられた。返す言葉が見つからない。男性の心理って?
「いいでしょう? スカートの上から撫でるだけだよ」
すがるような目をしていた。
(甘えん坊なの?)
紗綾が黙っていると、ふいにギュッと強く抱きしめてきた。
「紗綾、好きだ!」
頬に舌を這わせてきた。紗綾はどよめく。竹中の右手は紗綾のお尻にあてがわれた。制服のスカート越しに手のひらを押しつけて激しく撫でてきた。
「ちょっとやめて!」
「たまらなく好きなんだ」
下腹部に感じる圧迫。それは明らかにおちんぽだった。
(欲情してる…怖いわ)
紗綾はもがいた。弱い抗い方だった。