告白2-4
自分に何が起きたのかはすぐにわからなかった。
土橋くんは意地悪っぽい笑みを浮かべながら、固まった私を見下ろしている。
……コイツ、今何した?
気付くと目の前に彼の顔があって、柔らかくて冷たい何かが唇にあたって、これってもしかして……。
状況を徐々に理解するにつれ、ますますパニックになった頭と、熱い顔と、震える膝が自分とは違う生き物のようにそれぞれ慌てた反応をしだした。
「な、な、何すんの!?」
有り得ないほどどもりながら、私は彼の顔を思いっきり睨みつけた。
「いや……なんとなくしたくなったから」
「はあ!?」
悪びれもせずに白々しく頬なんか掻いているし。
自分だけがこの男のペースに振り回されて、あげくファーストキスまで奪われたと思うと、悔しくてもう一度ひっぱたきたくなった。
「な、何なのよ! 私、……その……初めてだったのに、いきなり……!」
「だって、俺のこと好きって言ったじゃねえか」
「確かにそう言ったけど、だからって普通いきなりこんなことするもんなの!? こっちはなんの心構えもしてないし、だいたいあんたの気持ちも知らないまま……」
まくしたてるうちになぜか涙がこみ上げてきた。
好きな人にキスをされて嬉しくないわけないのに、彼の軽い調子と“なんとなく”でファーストキスを奪われたことが、私を苛立たせた。
「……悪かったよ、ごめん」
私が涙目でわめいている様子を見て、土橋くんはさすがに悪いと思ったのか、少ししょんぼりした顔で謝ってきた。