爛熟女子寮(1)-3
ブラウスの上から乳房を揉まれ、すぐに股に何かが触れて、圧迫を感じたと思ったら裂かれる感覚が重量感とともに下腹部に広がった。
(熱い!)
痛みよりも火のように熱かった。
「くう…先生…」
「志乃ちゃん」
挿入の感覚ははっきり分からなかった。ただ熱く、重い。そんな感じだった。息を止めて歯を食いしばって耐えた。
「ああ、出る…」
先生は呻きながら折り重なってきた。射精したんだということは分かった。
初体験はあっという間に終わった。むろん絶頂なんて知らないし、行為そのものにも快感はなかった。呆気なかったけど、こんなものかと思った。先生と結ばれたことが心に潤いとなって沁み渡っていた。出血はほとんど見られず、わずかにティッシュに滲んだ。
「志乃ちゃん、初めてだったんだね、僕が初めてだったんだね」
先生は感激して何度も頬擦りをしてきた。
「先生…」
先生の歓びはそのまま私の歓びだった。
その日から月2回のレッスン日には必ずセックスをした。回を重ねる毎に自分の体の変化を感じるようになって、私は夢中になっていった。気持ちが風船のように膨れてくる感覚に陥ると、ほぼ同時に秘部が熱を持ち、微かな脈動が起こって蜜が満ちてくる。そして陰唇がむずむずしてきて、そうなるとブラジャーの中で乳首が突き立って、過敏な先端はわずかな摩擦で声を洩らすほどの快感をもたらす。
初めのうちはレッスンが終わってから愛し合っていたのだが、だんだんエスカレートしてきて、部屋に入ったとたんにキスしてそのまま、なんてこともあった。
(先生と一つになってる!)
挿入の時、いつもそう思ってしがみつくと体の奥底から蕩けそうになってくる。それで満足だった。
先生は結婚していて、住まいは別にあった。マンションは自分の練習やレッスンのために借りているもので、家具類も最低限のものがあるだけで生活感はあまり感じられない。それでもそこでセックスしていると先生と暮らしているような気分になって嬉しかった。
私は先生の奥さんが嫌いだった。クリスマス会などで教え子が集まると、男子ばかりにやさしくする。一度など、酔っ払って男子に抱きついたこともあった。わざとそうしたように見えた。後から思えば私の嫉妬なんだけれど、その時はとても厭らしくて嫌悪感を抱いたものだ。
(ああ、いま、先生は私を抱いている。奥さんは知らないんだ…)
自分は不倫をしているのに、それは棚に上げて堪らなく昂奮したものである。
(先生とずっと一緒にいたい…)
それは無理なことだけど、せめて一晩中抱かれていたい。……私がふと漏らしたひと言。それを聞いて、先生が、
「ここなら泊まれるよ」
それは分かっているけど、外泊の理由は作れそうもなかった。友達も限られている。誰かの家に泊まると嘘を言ってもばれてしまう。うちの母は必ず前もって先方に連絡をするのである。その点は厳しかった。
「大学に入ったら大目にみてくれるんじゃないの?」
「同じだわ。門限だって一時間延長されるだけ。いまから言われてるわ」
そこで先生が提案したのは寮に入ることだった。寮に入ると何かと融通が利くというのである。
「寮って、規則が厳しいんでしょう?」
イメージからすると不自由で堅苦しい。でもそうではないという。先生は事情に詳しかった。
「たしかに女子寮だけに規則や門限は厳格だ」
だが、原則として届け出をすれば外泊はいつでも可能なのだそうだ。もちろん、行き先は連絡のとれるところに限られる。
「でも、管理人が電話で確認することはない」
(それじゃ、好きな時に泊まれるってことじゃない!)
何とかならないか。両親を懇懇と説得して頼み込んだ。
「練習に集中したいの」「充分に練習しないとみんなに負けちゃう」
ホルンを家で吹くのは音の問題で難しいので、そのことを前面に押し出した。悪い娘だったと思う。父が裏に手を回して何とかなってしまった。
それまでしたのに、結局、先生の所に行ったのは入学後2回だけで終わってしまった。泊まったのは一度、それ以後は会っていない。レッスンも止めてしまった。……それは…。
マンションに泊まりにいったのは入学してまだ4日目のことだ。履修届けもまだだったし、授業開始までにやるべきことがいくつもあったけど、待ち切れなくて外泊届を出したのだった。理由の欄に『法事』と書いた。入学早々外泊する理由として納得できるだろうと自分なりに考えたものだ。
ああ…夢にまで見た、先生と二人だけで過ごす夜。
いろいろな事を思い描いた。たとえば一緒にお風呂に入って、そして、フェラチオ……。まだしたことがなかった。自分からは出来ないし、先生も要求したことがなかった。言ってくれればすぐにしてあげるのに…してみたい…。私のは一応舐めてくれるけど、それも物足りなくなってきていた。気持ちよくなってきた頃にいつも挿入に移ってしまう。もっと体全体が痺れてからでいいのに、そして激しく動いてあっという間に終わってしまう。それはそれでいいのだけど、もっといっぱい、ゆっくり、長く愛し合いたい。滅茶苦茶にして欲しいし、私も先生にしてあげたい。特にペニス…。私の体は確実に感度を高めて、より深い悦びを求めるようになっていた。
当日の昂奮はどうにかなってしまいそうなほどで、マンションに向かう足取りも何度か躓くほど覚束なかった。
体は前の晩から疼いてもやもやし続けていた。我慢できずに昨夜は久しぶりにオナニーに耽った。高2の時からしてるけど、意識が飛んだのは初めてだった。