はじめての、えっち。-11
さっき、指が入ってきたところに、ものすごい圧迫を感じる。
小さすぎる場所を、無理やり押し広げられていく痛み。
あまりの激痛に、脂汗が滲む。
「い……たい……っ……」
「チイの中、きつい……ごめんな、無理しなくていい……やめるか?」
「ううん……いいよ……っ……こ、このまま……」
浩紀の願いを叶えたい。
ふたりで、ひとつになりたい。
その想いがあるから、我慢できる。
子供から大人になるための、愛するひとを受け入れるための、大切な儀式。
口にするのも憚られるような、卑猥なことをしているはずなのに。
千春にはこれ以上ないほど、神聖な時間に感じられた。
それが根元まで埋め込まれるにつれ、浩紀の呼吸が荒くなっていく。
流れ落ちた汗が、千春の頬を濡らす。
「う……あ……全部、入った……わかる?」
「うん、うんっ……!」
「嬉しいよ……これで、チイ、俺のもの……」
奥の奥まで繋がり合った状態で、強く抱きしめ合う。
「わたし……ずっと……」
こんなことする前から、わたしはずっと浩紀だけのものだったよ。
そう言いたいのに、言葉がうまく出て来ない。
少しずつ、秘部に沈み込んだ男根が、前後に動き始める。
「うわっ……気持ち、いいよ……チイの中、めちゃくちゃ熱い……」
「あ、あ、う、動いちゃ、だめぇっ……!」
痛みの裏側から、ふつふつと快楽が湧きあがってきた。
肉の塊に膣壁を擦りあげられる悦び。
子宮口をこじ開けられそうなほど、奥底まで貫かれる衝撃。
胸に触れられたときのような、穏やかな感じではない。
うねりを伴って、内臓を焼きつくすような激しい悦楽。
溢れる愛蜜が潤滑油となり、慣れないふたりの交わりを滑らかにさせる。
こんなにも密着しているのに、まだ足りない。
もっと深く、もっと奥まで。
底知れない欲望が、お互いを突き動かす。
愛しさが、際限もなく生み出されていく。
この気持ちを、いったいどうすれば伝えられるのだろう。
千春には、その方法がわからない。
何度目かに突きあげられたとき、凄まじい快楽の波が押し寄せてきた。
「ひ、浩紀……! わたし、あっ、ああああっ……!」
「チイ、好きだ、何回でも言う、大好きだ……」
求め合ったその先にある、絶頂感。
下半身が小刻みに痙攣し、毛穴から汗が噴き出した。
体内に感じる、脈動。
動きを止めた浩紀から放出された、沸騰しそうな液体。
やっと、わたしたち……。
最後まで結ばれたことの喜びに包まれる。
これからも、きっと浩紀のためなら、どんなことでも乗り越えられるよ、わたし。
吹き始めた夜風に、ひらひらと桜の花びらが舞う。
いつまでも泣き虫で甘えん坊だった千春が、ひとつ大人の階段を上った春の夜だった。
(おわり)