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ようこそ花咲女子寮へ
【ラブコメ 官能小説】

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その時は私がいるではないか-6

「な、何だかすっかり立場が逆転してしまったな…………」
「立場なんて…… そんなに大切なものですか?」

僕の言葉に答えは返ってこなかった。
ただその代わりと言わんばかりに僕の唇には、
再び秋子さんの熱い唇が繰り返し何度も重ね合わさっていた。

「和也………… 愛しいよ和也…………」
「んっ…… あ、秋子さん……」

首筋から胸元に、秋子さんの舌が僕の体に絡みつく。
愛撫という言葉をはじめて体で感じた僕は、否応無しに興奮が増していき、
気がつけば僕もまた、稚拙ながらに秋子さんの体を愛しく撫でまわしていた。

「あ、秋子さん…… 本当にその………… いいんですか?」
「大丈夫、これでもいい歳の女だ…… それなりの知識はちゃんとあるぞ?」
「ち、知識はって………… それってもしかして経験は………… その……」
「うん? 君は学者の知識がすべて経験から来るものだとでも思っているのか?」

その言葉の意味を悟るや、僕は慌てて顔あげると、
思わず食い入るように秋子さんの瞳を見つめた。

「そ、それってつまり……」
「うん? 私に性交渉の経験は一度も無いぞ? もっと言えば…………
 こうして唇を重ね合わせたのも記憶では生まれて初めての事なのだが…………」
「そ、そんな…… そんな大切なものっ どうして僕なんかに…………」

その言葉を最後まで聞く事もなく、秋子さんはまたも僕の唇を塞いだ。
柔らかな唇、艶めかしい舌使い、
意識がとろけそうなくらいに、またしても幻想的な時間が僕を包む。
いったい秋子さんは何を考えているのだろう。
父の助手をしていたからといって天涯孤独の僕なんかを引き取ったり、
理性を失った僕なんかの性衝動にその身を投じてみようとしたり…………

「僕なんかだなんて言うな? 君は私にとってもかけがえのない人なのだよ?」
「そ、そりゃ 両親を亡くした僕をこうして育ててくれるほどですから…………」
「違うな………… そんな意味で私は君を大切だと言っているのではないよ」
「え? で、でもそれじゃぁ…………」
「私が………… 私がこうして性心理学を学んだきっかけはなんだと思う?」
「そ、それは…… そう言えば聞いた事ありませんでしたけど…………」
「それはな、私もまた幼い頃から性の悩みに苦しみ続けていたからなんだよ……」


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