告白1-3
結局おでんではなく、お茶とチョコレートを買った私は、店の外に出ると ゴミ箱の前でペットボトルの蓋をパキッと開けた。
一口お茶を飲んで喉を潤してから、チョコレートの包みを剥がそうとする。
しかしそんな私の動作を携帯電話の着メロが遮った。
レジ袋にお茶とチョコレートを無造作にしまい込んで、コートのポケットから携帯を出した。
携帯を開くと郁美からのメールで、画面には、
“もう着いた頃かな? 近くにローソンあるんだけど、そこで待ってて。修には、桃子がネックレス返しに行くってメールしといたから”
と、郁美にしては珍しく、絵文字一つない愛想のない文章が目に飛び込んできた。
……ローソンって、ここでいいんだよね。
わかっていたけど、改めて店の中を覗き込んで、店員さんの制服を確認する。
青と白のストライプの見慣れた制服。
うん、きっとここだ。
確認してから、しばしの間を置いた私は、
……ってことは、ここに土橋くんが来るように、郁美が彼に連絡してたってこと!?
と、メールを何度も見返してから、私は急にあたふたし始めた。
まだ、何の心構えも出来てないのに!
よく考えたら今日はまともに鏡も見てない。
顔、洗ったっけ? 寝癖ついてるかも!
土橋くんがここに現れるんだと思うと、急に焦り始めた。
とにかく最低限、鏡くらいは見ておこうと思い、もう一度店内に入ろうとした所で、
「……おい」
と、あの低い声が私の背後から聞こえてきた。