なれ初め-3
亜希は父親と二人暮らし、亜依も母親と二人暮らしであった。
亜希の父親は出張が度々あり、一人で過ごす事も多かった。
亜依の母親は夕方から夜の商売へと出掛けていく日々であった。
亜希と亜依はそういった点でも共感出来るものが多かった。
下校中、二人は遠回りしたところにある廃工場によく寄り道をするのだが、今日も寄ってみると、物陰に普段は無い雑誌が捨ててあった。
「何の本だろね?」
何となくそんな気はしていながら近付いてみると、やはり成人誌だった。
「亜依ちゃん!エッチ本だ!ほら!」
そう小声で言って亜依を手招きする。
「え〜、やだよ。ヤバいよ亜希ちゃん」
「いいから、早く!ちょっとだけじゃん!見たことないじゃん!」
「え〜、でも…」
「いいから!」
亜希の押しに負けて、誰か来ないか辺りを見回して、亜依は亜希のところへ急いだ。
それはロリータ系の成人女性の成人誌で、男性と絡んだり、ぺニスをくわえたり、精液を舌で受けたり、顔にかけられたりしている物であった。
「すごいね…」
「うん…」
二人は唾を飲み込み見入っていた。
ジャリッ!
自らの靴で鳴った音にビクッとなり、
「やめよっか!」
「うん!」
そう言って急いでその場をあとにしたのだが、二人の顔は成人誌の女性の様に紅く染まっていた。