ナイショ-1
「なぁ。結衣。山田って覚えてる?」
「山田・・・さん?」
「ん。あぁ。この前マックであっただろ?」
「覚えてないな・・・」
あの時はお兄ちゃんの隣で勉強を教えてもらうことに
嬉しくてほかの人なんか覚えてないよ。
「山田さんが何?」
「結衣のこと可愛いって。付き合ってみるか?」
え・・・・?
私が?
「なんで?」
「山田いいやつだよ」
いいやつって・・・
「ひどい・・・」
「ん?」
「お兄ちゃん、ひどいよ!!」
「なんでそんなこと言うの?
私がお兄ちゃんを好きだって気がついてるんでしょう?
なんでそんなこと言うの!
ひどい!
お兄ちゃん、大嫌い!!」
悲しくて悔しくて涙が出る。
私がお兄ちゃんを好きだって絶対絶対知ってるはずなのに。
お兄ちゃんは私の気持ちをほかの人に向けさせようとしてる。
「ちょっ。おい!結衣。落ち着けって」