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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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真相-6

「ご、ごめん……タオルここ置いとくし……続けて続けて」

 謝ったのはケイ……彼は用事を済ますと、慌ただしく立ち去って行った。

(嘘だろ?!キャラって……キャラって……姫様ぁ〜……)

 ポロの記憶を見せてもらったケイには、カリーが言っている『キャラ』がファンの姫君『キアルリア』だと直ぐに分かった。
 その姫様が過去とはいえ、一般人の……知らなかったとはいえ、魔物と寝ていた。
 ファンの戦乙女と呼ばれていた我らが自慢の姫の実態は、俺俺姫で淫乱姫……俺俺までは許容範囲だったが、淫乱はさすがに哀しくなってくる。
 ケイはつうっと頬に涙を流しながら、ポロとスランの元に戻って行った。

 バタバタと遠ざかる足音を聞きながら、2人はゆっくりと顔を見合わせる。

「えっと……何だっけ?」

「キャラよキャラ」

「ああ……って、んなワケあるか!?どこをどうしたらそうなる?!」

「だってヤッてたじゃんっ!!」

「お前ともヤッてただろっ!それにあれはアイツがうなされて……って、分かるだろ?!」

 ゼインも良く夢にうなされる事があり、カリーはそれを身体で慰めている。
 夢でうなされるのは精神的に傷がある証拠……そんな時は身体を使って落ち着かせるのが……少なくとも、ゼインには効果的だった。
 だから、キャラがうなされた時ゼインはカリーが自分にしてくれるように優しく抱いて、彼女が求めたらそれに応じた……それだけだ。

「それは分かるケド……好きって言ってたの聞いたもん」

「ありゃ『カリーの事が好きか?』って聞かれて答えただけだ!」

 その後、彼女は姿を消した。

「そ…そうなの?」

「そうなの!!」

「でもでも、居なくなった時、結構ヘコんでたじゃない……」

「しょっちゅう夢にうなされる様な女が、1人でどっかに消えたら心配もするだろが!」

 何だかんだと1年は一緒に居たのだ。
 仲間意識もあるし、彼女がどうしているか気にしてもおかしくない。

「そうなのぉ?!」

 ゼインはキャラの事が好きだと思っていた……だけど側に居たくて、迷惑承知でまとわりついていたのに……切なくて泣きそうになる時もあったというのに……それは全部無駄だったのだ。


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