電話-3
「ゆいちゃんかぁ。俺が教えてあげるよ」
「俺も教えてあげるよ」
「いいから。お前ら黙っとけ。結衣。俺が教えてやるからこっち来い」
「うん・・・」
半分強引にみんなから引き離されてお兄ちゃんの隣に座らされた。
「ゆ、結衣。また明日ね」
ひきつりながらみんなに手を振ると
ひとり残された感がひしひしと感じるよ。
「お兄ちゃん。強引」
椅子に座ってもお兄ちゃんとの身長差は頭1つ分ぐらいあって
睨みを効かせたつもりが上目遣いになっちゃったらしい。
「す・・・」
お兄ちゃんのお友達の一人が「す」って言った。
「す?」
私は意味が分からず
その人の方を向いて聞き返す。
「すっげぇ〜〜〜〜〜」
「可愛い!」
「なにこれ!」
「女子高だ!聖女だ!」
「ホント。俺らの学校の女子と全く違う」
「可愛い〜。萌える」
私に。。。というより
お兄ちゃんに向かって興奮して話しだした。
「だから、お前らに紹介したくなかったんだよな」
お兄ちゃんは苦笑いをしながら
私の髪をクシャっとした。
あ・・・・・
お兄ちゃんが私の髪を触ってる。
きゅんっと胸が痛くなる。