最終話 新妻の目覚め-15
男の言葉に頷く紗希。男の精液を飲んでいるのだ。
汚れた尻と股間を裕一に晒した格好で。
裕一の中で何かが、ブチ切れた。
それまで硬直していた裕一の体が動く。
ガンッ!!
目一杯の力を込めて、扉を開ける。
「紗希っ!!」
今まで出したことのない、怒りに満ちた大声を出す。
こちらを振り向く四人。呆然とした顔。
怒りに我を忘れそうになるのを堪える裕一。
「お前達は誰だ!俺の妻に何してるっ!!」
「いやぁ、私たちは奥さんの友達ですよぉ。ねえ、奥さん」
血の気の引いた顔で紗希がこちらを見ている。
「ゆ、ゆういち、さん……み、見ないで……」
「我々は、奥さんにお誘いを受けたんですよぉ。ねえ?」
悪びれもせず、しゃあしゃあという男。それに頷く他の男達。
「事情は奥さんに聞いて下さいよ。我々は引き上げるから」
「間男は帰りますねぇ」
怒りに震えている裕一を尻目に、そそくさと服を着た男達は、さっさと部屋を出て行ってしまった。
二人残された裕一と紗希。
「これは、一体どういうことだ!」
「裕一さん……違うの、これには理由があるの……」
「何が理由だ!言い訳なんか聞きたくもない!」
「お願い、聞いて……あの人たちに無理やり……」
さっき見た光景。何が無理やりだ。
裕一の脳は、妻の言葉を受け入れることを拒絶した。