君と、バレンタイン-3
そうして着いてきてくれた彼にラッピングされたチョコレートを渡す
『いつも、お世話になってますから』
バレないように、言葉を選びながら
感謝の気持ちを述べる私に
…君は…
『おー、ありがと。本命だとおもっとくよ』
そんな冗談を口にしながら、いつもより少しだけ優しく微笑んだ
だけど、ね
…本命だなんて…
『貰ったら困っちゃうじゃないですかぁ』
いつものトーンで返したけれど
ほんとの気持ちを知らない君に
少しだけ
ほんの少しだけ
歯がゆさを感じたんだ…