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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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解放-10

「ひっぐぅっああぁぁっ!!」

 またもや跳ばされたカリーは、ガクガクと痙攣する身体を持て余した。
 まともに息が出来ない……いつ来るか分からない波に恐怖を感じる。

「そろそろ欲しいだろ?」

 兄は舌舐めずりして下半身を剥き出しにした。
 黒々とした男根が重力に逆らって、勃ち上がってピクピク動いている。

「はぁ…はぁ……だから、要らないって……うっくうぅ……」

 酸欠でぼんやりしながらもカリーは兄を睨みつけた。
 昔からこの男は好きじゃない……やる事が陰険で、暗殺のやり方にも美学が感じられない。
 次期頭領と呼ばれているが、この男を選んだ頭領の真意は定かじゃないな、とカリーは考える。
 そんな事をカリーが考えてるなど知らない兄は、自分の肉棒を扱きながら近づいて来た。

「欲しいだろ?」

 カリーはそれを見て口の端を上げる。

「……ふふ……そうね……頂戴?」

 カリーの言葉に兄は片眉を上げて足を止めた。

「おいおい、お願いの仕方ってのがあるだろ?」

 上の立場を利用して、兄はイヤな笑い顔で更に言葉を促す。

「……兄さん……カリオペに兄さんの太いの挿れて……」

(あと、一歩)

 カリーは絶頂の波が来ない事を祈りつつ、身体をくねらせて兄に懇願した。

「ククッ……淫乱が」

 おかしそうに笑った兄が一歩踏み出した瞬間、カリーの姿が視界から消える。

「あ゛?!」

ギシッ

 天井からぶら下がっている両手をぐいっと上げて飛び上がったカリーは、両足で兄の首を挟んだ。
 そのまま両手を支点に、カリーは思いっきり身体を捻る。

ゴギンッ

 足の方から嫌な音と感触がして、カリーは顔をしかめた。
 暫くそのままでいたカリーは、足の力を抜いて兄を開放する。

ドサッ

 絶命した兄は驚いた顔で目を見開き、口から舌が溢れていた。

「バーカ……」

 長い事離れて忘れていたのか……カリーは……赤眼のカリオペは自分に危害を加える相手には容赦しない。

 例外は頭領だけだ。


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