その1-1
課長:待った?
雪乃:はい。約30分12秒待ちました
課長:約?ってか30分も前に来てたの?
雪乃:正確には30分12秒08ですがコンマ何秒は要らないのでしょう?
課長:成長したね。30分前…8時25分くらいからずっと?
雪乃:はい。私は仕事でも30分前の出勤です
課長:あ〜、確かに俺より早いよね
雪乃:まぁ、待ち合わせ時刻の5分前には来ているので許します
課長:上から目線だね
雪乃:本日はお誘い頂きありがとうございます
課長:あ、いやいや、こちらこそ来てくれてありがとうね
雪乃:いえ。ところでこれからのスケジューリングですが
課長:ああ、君の行きたいところでいいよ。決めれるかい?
雪乃:私が決めて宜しいのですか?
課長:もちろん♪
雪乃:ではこちらを(ピラ
課長:ん?ナニコレ?
雪乃:今日のスケジュール表です
課長:は?
雪乃:こうなることを半ば予測していました。課長のお人柄から推測し、今日の行動指針は私に委ねるであろうと想定した結果、私なりにスケジュールを前もって作成しておけば円滑に――
課長:ちょちょっ待って待って
雪乃:はい?
課長:仕事じゃないんだからこんな事しなくても
雪乃:仕事じゃないからこそ時間を無駄に出来ません。私は今日ある意味仕事以上に本気で楽しむつもりで挑んでいるのです
課長:す、すいません
雪乃:では早速。2ページ目を開いて下さい
課長:はい…(ペラ
雪乃:課長の到着時間はやはり5分前で間違っていなかったので、スケジュール表通りに進行していく事が可能と思われます
課長:はい
雪乃:2ページ目の三行目。この後は課長のよく行く服飾店で課長のネクタイを吟味。30分で出る予定です
課長:何で私のネクタ
雪乃:私語は移動中に。時間がおしてるんです
課長:すいません
雪乃:次に私の贔屓している小物類を扱ったお店へ行きます。ここは15分で結構
課長:はい
雪乃:その後は――
――――――
雪乃:――以上になります。質問は道中、道がてら話して行きましょう(カツカツカツ
課長:…(ペラ
雪乃:早く歩く!(カツカツカツ
課長:はい!(ダダッ
雪乃:…♪(カツカツカツ
課長:……(大丈夫か?これ…)
続