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続・天狗屋物語
【SM 官能小説】

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続・天狗屋物語(後編)-11

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いつも、「天狗屋」をご利用いただき、ありがとうございます。
確か、「谷 舞子」さんというお名前でしたよね…

読ませていただきましたよ、あなたのネットの投稿小説を…。お題がうちの店の名前なので、
興味津々に楽しませていただきました。こんな爺さんが趣味でやっているオンポロのアダルト
店ですが、ご存じのようにSMものだけは充実しており、ほかの専門店にも負けないと自負し
ております。

ところで、小説の中の主人公の若者は、以前、ここでアルバイトをしていたあいつのことです
よね…ちょっとガラが悪かったが、縛りの腕はたいしたものですよ…それに登場人物の「爺さ
ん」は、もちろん私のことですね。いやいや、お恥ずかしいかぎりです。それなりに私もSM
の趣味があり、いろいろと楽しんでおりますが、あんな風に書いていただき恐縮です。


小説に書いてあるとおり、あなたの昔の写真が掲載された古いSM雑誌は確かに存在していま
す…あなたがSMクラブ「ルシア」で女王様だった頃のね…ええ、私が大切に保管しています。

あなたのいくつかの小説の中で、ときどき名前が出てくる「燿華」という名前は、あなたが
SMクラブでS嬢をしていた頃のあなたの名前ではありませんね…ただの仮名です。谷 舞子
さんの「ルシア」でのほんとうの別名は、… でしたね。

そして…わたしはSMクラブ「ルシア」の客だった…まず、あなたにお礼を言わなければなり
ません…あなたは、わたしのことをお忘れになってはいなかったようですね。何人もの男を
相手にしてきたあなたが、わたしのような者をお忘れにならなかったことが私にとっては恥ず
かしいくらいです…

あの頃のあなたは、売れっ子のとても素敵な女王様だった…そんなに恥ずかしい顔をなさらな
いでください…。あれから、もう何年になりましょうか…あの頃、私は五十歳くらいで、あな
たはまだ二十歳の後半くらいの年齢だったでしょうか。

確かに、私には先立たれた妻がいます…ただ、私はその後再婚はしておりませんね…
それに小説のとおり、妻は自殺でした…どうしてそんなことをあなたがご存じなのかはわかり
ませんが…

私はあなたの前で跪き、鞭で打たれることで、なぜか遠い妻との思い出に癒されたい気持ちを
いつも引きずっていたのは間違いありませんね…

…死んだ妻があなたに似ていたから… それは、あなたのご想像におまかせいたします…

あの頃、鞭を手にしたあなたは、心のどこかに自分のすべてを封じ込めた様相をし、いつも
謎めいていて、実に魅惑的だった。あなたのハイヒールの足元に跪く男たちに鞭を振り下ろ
し、あなたの聖水さえ欲しがるM男たちにいろいろな夢を抱かせた…私もそのひとりでしたね。
でも、今のあなたを見て、あの頃のあなたと気がつく者は誰もいないでしょう…いや、失礼…
今のあなたにあの頃の魅力がないと言っているわけではありませんから…


申し訳ない、つい長い話になってしまいました。
まさかこの「天狗屋物語」もこれで終わりというわけではないでしょうね…まだ「谷 舞子」
…いや、あなた自身が描かれていませんね…続きを楽しみにしておりますよ…


…それに、この「天狗屋」へのご来店も心からお待ちしております…


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