第6話 新たな陵辱者-1
第6話 新たな陵辱者
クソッ!
腹立つ。
アイツも、あの女も……。
天罰を下してやる。
アイツら、滅茶苦茶にしてやる……。
3ヶ月前、リフォーム工事の終わった向かいの家に、アイツらが引っ越してきた。
挨拶に来た二人に応対する母親の厚かましい会話が、俺の部屋にまで聞こえてきた。
「あらぁ、新婚さんなの?羨ましいわね〜」
「ずいぶんとお若いけど、お幾つなのかしら?」
「27歳……あら、やだ。うちのトモユキと同じじゃない」
「どちらにお勤めなのかしら?」
「○×銀行……凄いわね〜。うちのトモユキなんてフラフラして、もうどうしようもないんだから」
いちいち俺と比較するなと母親に毒づきながら、一体その男はどんな奴かと玄関先を覗いてみた。
一目見て、ムカついた。
背が高くて、痩せていて、小顔にメガネを掛けた頭の良さそうな顔。
母親がハマッている韓国ドラマに出てくる奴そっくりだ。
さっきから、母親は男の顔を見つめっ放しだ。
さらに、ムカつくのは、アイツに寄り添っている女を見たときだった。
旦那と同じくスラリとした長身。スカートから浮き出たライン、ストッキングに包まれた綺麗な足。
控え目な態度で微笑んでいる姿は、まるで韓国ドラマのヒロインのようだ。
きっと、10人中10人の男が、いい女だと答えるだろう。
10人中10人の男が一度はお相手願いたいと思うだろう。
本当、ムカつく。
俺に無いものを全部持っているあの男には。