最悪のシナリオ-2
目が覚めても悪夢は続いていた。
奴らは失神した私に何度も肉の凶器を奥へ奥へと打ち付けていた。その衝撃で目が覚めたのだ。
無間地獄である。秘所からは過度の摩擦により血が滲み出ている。
「起きたか?あ?気持ちいいだろ!?あ?」
「気持ち…いいです」
「もっと喘げよ!殺すぞ!」
「はいっ、ああっ!」
もう、やめて…。
こんな生活嫌だ。
私は何で日本で生まれたの?
私が何かしたの?
日本は昔、特定の国に悪いことをしたそうです。
その『謝罪』と『賠償』を私達は【永遠に】しなければいけない、そうです。
「何も悪いことをしてない」と言う人も沢山居ました。
「でっち上げだ!」と声を大にして言う人も大勢居ました。
そういった人達は右翼とかネトウヨとか呼ばれて糾弾、弾圧されました。
右翼は悪となりました。
保守は悪とされました。
まだ、日本人が人間をしていた頃。
日本人が政治活動をしていた頃。
私は小学生でした。
暖かいご飯と暖かいお風呂と暖かい布団、暖かい家庭がそこにはありました。
お父さんが居て、お母さんが笑ってて、私が一番幸せな時でした。
何かおかしいと感じたのは大人達が皆「りょうどもんだい」とか言い出した時だったかな?
いや、「せいけんこうたい」と言ってた時かな?
でも私にはよく分からなかったから、普段通りに暮らしていた。
「雌豚!おら!イけ!イけ!」
「イきます!イキますぅ!」
「ありがとうございますだろが!」
「ありがとうございます!イかせてくれてありがとうございます!」
中学に行く頃、教科書はどれだけ日本が悪い国かを学んだ。
そんな事は小学生の頃習ったことも無かったから動揺した。
歴史の先生はどうやらその国の先生で、私はそれが事実かどうか聞いた。
聞いただけだ。
放課後、私だけ特別授業としてその先生に呼ばれて、生徒指導室で私は先生に初めてを奪われた。
――お前ら日本人が悪い
――こうされても文句は言えない
――我々の祖先も同じこと、いや、それ以上のことをされた
――だからお前らはこれからずっと謝罪をし続けなければならない
「これが、謝罪になるのですか?」
――…生意気な目だ。もう一回指導してやる
先生の指導は夜遅くまで続いた。
それからもほぼ毎日ことあるごとにその先生に『指導』された。
生理の日も「汚い汚い」と言いながら、それでも私を貫いた。
高校までの間に私は堕胎を繰り返し、結果子供が出来なくなった。
高校に上がる頃、既に高校そのものが無くなっていた。
いや、高校、大学は『選ばれた外国人』しか行けなくなった。日本人は【学力そのもの】までも奪われたのだ。虚偽や捏造に満ち溢れた教育さえも面倒になったのだろう。
就職に至ってはもっと露骨に表れた。
ほぼ工場の勤務か内職である。
女性は水商売か風俗店でしか働けない。
そこでもあぶれた者はホームレスになるより無かった。
しかしそれも【駆除】と称して一斉に摘発されて収容所に送還される。
どこへ移されるのかは分からない。
政府公認の【就職斡旋施設】とか何とか言っているが実際帰ってきた者を見た者は居ない。
しかしその疑問を口にするだけで罰せられるので誰も口にしない。我々日本人には厳しい言論統制が布かれているのだ。
「あ、ん…もっと…もっとぉ」
私はいつから壊れているのか。
最初から壊れているのか。
壊されたのか。
壊したのか。
憎い男どもの首に腕を回して抱き締める。
男は私の乳房を掴んでより強く腰を打ち付ける。
もっと
もっと壊してよ
馬鹿になるくらいに
ナニモカンガエラレナクナルクライニ
「あっ、いいの!イク!イッちゃう!」
「日本人がぁ!謝罪しろぉ!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!イッちゃいます!ごめんなさいぃ!」
「孕めビッチが!」
「孕みます!中に出して下さい!」
孕めない。
いや、孕めてもあなた達のような薄汚い血を持った子供なんて産みたくもない。
私に出来るささやかな抵抗。
一つも感じてないままに、あなた達に演技を貫くこと。
感じているわけが無いでしょう。
父を殺したあなた達を、母を犯し続けるあなた達を、許すわけが無いでしょう。
このままで済ますわけ無いでしょう?