第四章 淑女墜落-9
チリンチリン―――
「やっ、嫌っ……な、なにをなさったんですか!?」
「いや、普通につけたんじゃ面白くないからね、把子のところに鈴を二つばかし吊るしてみたんだよ」
浣腸されたうえ、そこに栓をされて鈴のアクセサリーまでつけられた。
あまりにも惨めだった。
どうしてこんな屈辱を受けなければならないのか―――心の中で何度も自問自答を繰り返すが、全ては自分の責任としか答えは返ってこない。
とてつもない悲しみが湧きあがり、死んでしまいたいと本気で思った。
だがそんな思いは、肉体に蔓延してくる凄まじい痺悦感にすぐさま打ち消されてしまった。
(イヤッ……何これ……ア、アソコが……尋常じゃないくらい疼いてる……お、お尻も、辛いのにムズムズして……)
腰を中心に女の官能がジーンと痺れあがり、下腹部を灼いていた淫熱はいつしか身体全体にまで広がっている。
「ああっ……」
美優は狼狽した。
薬液によって刺激を受けている直腸には痛みが走り、ストッパーを咥えさせられている肛門には激しい痒みが湧いていた。
堪らずギュッ、ギュッ、と肛門を窄めてはストッパーの幹を歯痒そうに締め付けていく。
肛門に力を込めれば込めるほど膣肉も連動して淫らに動き、それがもどかしい感覚となって一層ねっとりした蜜がヌラヌラと湧き立ってくる。
落ち着きをなくしてきた美優のあからさまな変化に、大村と張元が顔を見合わせてニヤリと笑んだ。
この日の為にグレードアップさせてきた媚薬、それが美優の秘芯に確実な効果を与えていることを直感したのだ。
ピンポーン、ピンポーン
店内のほうから突然聞こえてきたチャイム音に、美優がビクンッと肩を釣り上げる。
「おっ、やっと来たか。今日はね、これからここで商店会の会合があるから、奥さんにも暫しお付き合いいただくよ」
「えっ!? ちょ、ちょっと待ってください!」
慄く美優には目もくれず、よっこらしょと呟いて腰をあげる大村。
「おーい、大村さーん!」
集会時間を30分オーバーした源太郎たちが、がらんとした店内の中から大きな声で店主に呼びかける。
「あ、あの声って……まさか……?」
「そう、奥さんがここへ来る前に挨拶を交わしてきた店主たちだよ」
「そ、そんな!? わ、私どうすれば……?」
狼狽する美優の隣で、手もみしながらニヤニヤする張元。
「なあに、これも単なる楽しい余興だ。何も心配せんでいい」
そう言い残し、大村はさっさと店内のほうへ歩いていってしまった。