第四章 淑女墜落-12
「大村さんに張元さん、もしかして……?」
美優の不可解な様子に、感のいい田所が気色ばんだ顔を大村たちに向ける。
「ふふ、奥さんね、かなりのMでしたよ」
「あんな極上物は他にないでしょうな。うひひ」
あいかわらず手もみしながら、張元が意味深に三人を見やった。
「ちょ、ちょ、ちょっと、何のことだい? 俺にはさっぱり分かんねえよ?」
田所と中原がゴクッと生唾を飲むなか、鈍い源太郎が少しばかり声を荒げる。
「ゲンさん、面白いものをお見せしましょう。田所さんと中原さんもついてきてください」
その頃トイレへ駆け込んだ美優は、中腰の姿勢で懸命にアナルストッパーを抜いていた。
このトイレには鍵がない。
そのことが不安でしかたなかったが、背に腹は変えられない。
とにかく誰も来ないことを祈るしかなかった。
「んっ……くう……」
直腸に埋め込まれたイビツな塊。
お尻の緊張を解かなければとても抜けそうにない。
だが緊張を解けばストッパーが抜けた瞬間にでも漏れてしまうだろう。
美優は、ワンピースの裾をまくってから便器を跨いだ。
そして、その位置で中腰の姿勢になってからストッパーに指をかけた。
「くっ……んくっ……き、きつい……」
アヌスからゆっくりと抜かれてくる極太の幹が、幾本にも連なっている皺を悲痛に伸ばし広げていく。
息をも止めてしまうほどの圧迫感。
しかしこれを抜かないことにはこの苦しみから解放されない。
また、早く用を終えないといつ男達が後ろのドアを開けるか分からない。
焦る美優は、指にグッと力が込めてそれを引いた。
ヌヌッ、ヌポッ―――!!
極太の塊を抜き終え、瞬時にアヌスを引き締める美優。
間髪いれずにその場へしゃがんだ。
もう我慢することはない。
一気に緊張を緩めたその瞬間、背後からガチャッという嫌な音が聞こえてきた。
「えっ―――!?」
美優が慌てて後ろを振り向くと、そこには源太郎たち三人の姿があった。
「イヤア―――ッ」
思わず立ち上がろうとしたが、もう排泄を堪える力は残っていない。
美優は悲鳴に近い声を上げながら両手で貌を覆った。
いったん堰を切ったものはもう、押し止めようがなかった。