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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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ゼロ-9

 それから2日後……ゼインは檻から出された。
 檻の中は男の『浄化』の魔法で一瞬の内に何もかも消えた。
 魔法ひとつであっさり消えた檻の中を、ゼインは虚ろな目で眺める。

「ゼロ、来て下さい」

「……ゼロ……?」

 ゼロと呼ばれたゼインはゆっくりと男に目を向けた。

「呼び名をつけました。『ゼロ』始まりの名前です」

 いったい何が始まるというのか……ゼイン……ゼロはどうでも良い気持ちで男をジッと見つめる。
 いつも無表情の男はゼロを見つめ返し、少し首を傾げた。

「嬉しくないですか」

 喜んでくれると思っていたのに、と男は尋ねる。
 この状況で喜べる筈が無い……この男、本当に自分の興味あるものしか目に入っていないらしい。

「……どうでも良い……」

 ゼロは真っ直ぐに男を見たまま答えた。

「残念ですね」

 大して残念そうでもないように、男はゆっくりとゼロに手を伸ばし、血のこびりついた頬を撫でる。

「君は面白い……あの状況でまだ正気を保っている」

「……どう…かな……?」

 正気とは思えない……目の前にいる男を殺したくて殺したくてウズウズしている。

「君の目は不思議だ」

 相変わらず噛み合わない返事をした男は、ゆっくりと顔を下ろしてゼロと唇を重ねた。
 ゼロは虚ろな目を開けたまま微動だにしない。
 しかし、その蒼い目の奥には熱い炎が燃えたぎっていた。


 それからひと月に一度の割合でザルス樹液の実験が行われた。
 1回目で大失敗したのでかなり薄めたものから再開して、徐々に濃くしていく。
 何度も使う内にゼロには耐性が出来てきて、効かなくなってきたが必ず女奴隷が1人同じ量の樹液を受けて比較されていた。

「ああっもっとぉっ!!」

 理性の跳んだ女奴隷がゼロに股がって腰を上下させる。
 ゼロは魔法のかかった鎖で拘束され、成すがままになっていた。
 快楽のあまり女はゼロの身体を掻きむしり、ゼロの身体は傷だらけだ。

「あっあっああっ!イクぅっ!!」

「うくぅっ」

 女の絶頂と同時にゼロも爆発し、結合部から血が混じった液体がゴポっと溢れる。

「あ……あぁ……まだぁ……もっとぉ……」

 それでも女は腰を動かす……挿れ過ぎて擦り切れた股の痛みも消えてしまう快楽に堕ちた女……これで何人目だろう?
 ゼロは緩やかに効いてくる樹液にじわじわと侵食されながら女を見ていた。


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