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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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ゼロ-7

「即効性は5……発熱、発汗……」

 男はゼインの様子を見ながら反応を紙に書き留めていった。

「こっち見て下さい」

「ぐうぅっ」

 見て下さいと言いながら髪を掴んで無理矢理顔を上向かせる。

「瞳孔拡大」

 確認した後、無造作に手を離されゼインは床に転がった。

「ぐっあ……」

(何の薬だっ何の?!)

 下半身の疼きからするに絶対に媚薬……しかも、超強力なタイプだ。

「ぅううっ」

 目の前が霞む……我慢なんか出来ない……。
 ブツンと頭の中で何かが切れて、ゼインは意識を失った。


 生ぬるい液体に浮いてる感じにうっすらと目を開ける。

「ひっ」

 目の前にあった人間の顔に思わず息を飲む。
 慌てて身体を起こすと、ビシャッと音がしてそれの正体が大量の血液だと分かった瞬間、ゼインは胃の中を全部吐き出した。

「ガハッゲホッ」

 吐きながら視線を動かして周囲を確認すると、目の前に転がっていたのは女で既に生き絶えていた。
 首も足も腕も腰もあり得ない方向に捩曲がって、皮膚が裂けている。
 そんな死体が5体は転がっていた。

「ひっ……はっ……」

 濃厚な血の臭いに頭がおかしくなりそうだ……ゼインは血の中をバシャバシャと移動して壁際まで逃げる。

「正気に戻ったようですね」

 血の海がぐうっと盛り上がって人型を作り、じわっと男が浮き出てきた。

「はっ……はっ…な、にが……」

 何が起きたのか、と聞こうとするのだが身体が震えて上手く言葉にならない。

「効き目が凄過ぎました。暴れたので閉じ込めたのです」

(そうじゃねぇ……この死体は何だ?!)

 言葉にならずに喉をひくつかせるゼインの事を無視して男は喋り続ける。

「『ザルス』という植物を知っていますか?あれの樹液は毒だと考えられていたのですが、どうやら強力な催淫成分が入っているらしくて……生きている間はしびれ薬、機能停止すると催淫効果が出るんです。おもしろいでしょう」

 男は足元にある血や死体を全く気にせずにゼインに近づいた。


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