或る少女の物語-2
まだ小学生の彼女は、そのちいさな胸の中でひとつのことを決めていました。またひとつのことを悩んでいました。
それは。
わたしはきっと、大人になってお母さんやおばあちゃんみたいに働くことなんてできない。みんなもそう言っている。おまえは何一つ満足にできないやつだって、言ってる。
おとなというのは二十歳になることをいうのだそうだ。だから、わたしは二十歳になる前に命を終わらせよう。
そう決めていました。
迷っていたのは、そのタイミングと方法です。
どうすれば、みんなに叱られずに終わらせることができるだろう。ずっと、ずっと叱られてばかりいたから、最後くらいは叱られずにいたい。
そう思っていたのです。