『SWING UP!!』第11話-25
「はぁ、ふ……」
響は今、その“和式バイオ・トイレ”に、しゃがみ込んだ姿勢を保っている。そして、今しがた花咲いて“実(ミ)”を落としたばかりの“菊の花”に、煩悩を注いでいた。
うねる大蛇のようだった“実(ミ)”は、小柄な体格だが大きなお尻の中央に咲く“菊の花”から、ヌルリヌルリと垂れ落ちて、便器の真下に充填されているオガクズの中に、ドサリドサリと埋もれていった。
「隼人……兄ぃ……」
しかし、“菊の実”を出し終えても、響はその場を動かない。
「う……ん……く、ぅ……」
非常に健康的で、理想的とも言うべき“実(ミ)”が、体外へ出て行ったその感触を反芻しているかのように、響の“菊の花”…すなわち、“肛門(ア*ス)”は何度も隆起と収縮を繰り返していた。
「………」
ようやく、備え付けの自家製拭き紙に手を伸ばし、数枚それを手に取ると、排泄をした汚れを拭うべく、“肛門(ア*ス)”に押し当てる。
「ん、くっ……!」
びりびり、とした感触が“肛門(ア*ス)”に走り、響の腰が揺れた。入り口だけでなく、中のほうにも紙越しに指を入れて、掻きまわす。
「く、はぅ……ん……んっ……!」
明らかに、“ケツを拭いている”のとは違う、響の指使いと息遣いであった。
(いつも……おおきいの……すると………へんに、なってしまう……)
自分の身体の異常な反応に、響は狼狽しながらも、指の動きを止められない。
バクテリアの分解によって処理をされる自家製の拭き紙は、一般のトイレットペーパーとは違い、水に流すことを想定していないので、かなり厚めとなっているから、多少荒い指使いをしても、破れてしまうことはなかった。
ぐにぐにっ、ぐにゅぐにゅぐにゅっ…
「んぅっ! くっ、んんっ、んんんっ!」
響は、そんな拭き紙ごと中に入り込んだ指を、激しく掻きまわす。痺れるようで甘く、そして、背徳的な感覚が背筋を走り、その行為に夢中になっていくのを止められなくなっていた。
(ウ、ウ*チの、穴が……あつい……あつくて……ゆび、止められない……!)
異常かつ性的なことをしている自覚はある。本来ならば、排泄するためだけの器官を、こうやって指でかき回すこと自体が、既に尋常ではない。
だが、響は中学生の頃から既に、この行為…いわゆる“肛門自慰(ア*ル・オナニー。略して、アナニー)”を覚えてしまっていた。特に大きくて太くて長い“モノ”を出してしまったときは、“肛門(ア*ス)”を引き摺っていった刺激が冷めやらず、この行為に耽ってしまうことがほとんどだった。
(こうなったの……隼人兄ぃの……にぃにぃの、せいなの……)
…その萌芽は、小学生のときだった。
まだ“許婚”ということも知らず、“きょうだい”として仲良く遊び廻っていた隼人から、当時小学校内で流行っていた悪ふざけとして、“カンチョー”を何度も食らっていた。片手の中指1本で“ブスリ”とやられるときもあれば、両手人差し指の豪快な仕様で“グサリ”と埋め込まれる時もあった。
『ひ、ひびきのおしりに、ヘンなことしないでよぉっ、はやとにぃにぃ!』
お尻を押さえ、顔を紅くしながら、そういって非難する響は、しかし、その“カンチョー”を食らった後の不思議な心地よいしびれを、既に自覚していた。