第5話 さらなる陵辱-2
えーっと、確かこの人は……と思っていると、
「こんちわー!酒屋の馬渕でーす。配達ですよー」
男が威勢のいい声を発してきた。
紗希も何回か買い物に行ったことのある近所の酒屋の主人だった。
「えーと、すみません……何かの間違いじゃないですか。配達はお願いしていませんけど……」
突然のことに、戸惑う紗希。
「いえいえ、今日は酒ではなくて、間男の配達なんだよ。て言っても、それは、俺のことなんだけどね」
「何、言ってるんですか。帰って下さい」
男のニヤけた顔と遠慮のない口ぶりに、紗希は嫌な予感を覚え、ドアを閉めようとした。
「おかしいなー、ここは、新婚3ヶ月で欲求不満になって、旦那以外の男を連れ込んでいるっていう奥さんのお宅だよね?」
「知りません。帰って下さい!」
紗希は、怒りに満ちた表情で馬渕を睨み返す。
「おやぁ?奥さん、いいのか?そんな態度で」
馬渕がポケットから取り出した物を紗希の目の前に差し出した。
それは、写真とネガだった。
それが意味することを紗希は直ぐに悟った。
「な、何で、あなたがそれを……」
「蛇沼から買ったんだよ。アイツとは昔からの付き合いでね」
馬面の顎で隣の家を示しながら、
「奥さん、欲求不満なんだって?今日は、俺が楽しませてやるからよ」
馬淵は、紗希の腰を抱き寄せ、家の中に入り込んでくる。
「止めて下さい。放してっ!」
両手で男を押し返そうとするが、紗希の力では男に敵うわけなかった。