運命?-1
厨二病の彼女は、すぐさまノリに乗った。
「貴様には分かるのか…?この空の悲しみが」
「え、君、誰?」
「(えええ!?のったのに…)いやその」
青年に変な目で見られた。
あたふたとする彼女。それを見て、
「面白いね」
と、クスッと笑う青年。気づかなかったが好みの外見をしていた。
「それじゃ」
少しお辞儀をして、家の方向に歩いた。
(まぁ、この人も二度と会わないだろう)
「待って」
「え、どうしました?」
引き止められたのが予想外で、同時に嬉しさを感じた。
「付き合ってください」
「は!?ww」
出会っていきなり何を言い出すのだと驚きを隠せなかった。
「一目惚れしました。あとあんなとこでのってくれる人なかなかいない」
「眼科いけよ!お互いのこと何も知らないでしょう?」
そう言い放つと、手をぎゅっと握ってきた。
「いや、なんか会った瞬間俺この人と結婚するって思った。運命って信じる?」
「いやいやいやいやいや、あのね、いろいろ可笑しい」
とりあえず手を離してもらい、喫茶店で話すことにした。
互いに自己紹介をした。
「へー、ゲーム好きなんだ?私もかなり好きだけど」
「俺けっこうやるよ?アニメも好きだし」
「全然オタクに見えないのにね」
「一応鍛えてるから。体動かさないとね」
彼とは話が合いすぎた。
こんなに気が合う人は今まで会ったことがない。
(信じて…いいのかな)
心を許して裏切られたときの苦痛は辛すぎる。もう二度と経験したくない。
だから誰にも深入りしないで壁を作って生きているのに。
どうしてその壁を平気で壊すのだろう。
「ね、結婚しよ?」
「ば、ばか…早すぎ」
反射で顔が赤くなる。
「私、好きになるとデレすぎてうっとうしいよ?嫌になるよ」
「全然嫌じゃないよ。君が信じてくれるまで、ゆっくり時間をかけるよ」
………変な奴。