出会い-1
「あーあ…楽しいことないかな…」
そう呟いたのは、長い黒髪の少女。
彼女は一般人と考えがずれている、いわゆる変わり者だ。
一見真面目そうに見えるが、実際は真逆で適当に生きているし、人の話を聞かない。しかもワガママで他人の意見を受け入れない。
自分で性格の悪さを自覚しているほどだ。
そんな彼女は友達も少ないし恋人ができても続くわけがない。
(私は誰も信じない)
さぁ、今日も退屈な一日を過ごそう。
だらしない彼女はいつも通り寝坊して学校に登校した。
「また遅刻か!まったくお前は!」
「うるさいハゲ教師」
「おま…ひど…」
教師だろうがなんだろうが反抗的な態度で、暴言が口癖なのである。
なんて最悪な女だろう。
あっという間に放課後になった。
無愛想な顔で学校を出ると、そこには空をじっと見つめている青年がいた。
(何をしてるんだろう…)
その刹那、青年が呟いた。
「空が…泣いている」
「!!!?(こいつ…できる!)」
それが彼女と将来旦那になる青年との出会いだった…